本当は怖い話– category –
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本当は怖い話
第2話 共有フォルダの男
「会社の“整理”も、お願いできるんでしょうか」 そう電話口で言った総務課長の声は、明らかに「物の片づけ」だけを求めてはいなかった。 帳場統真は、黒いスーツの袖口を直しながら短く答えた。 「内容によりますが……一度、現場を見せていただけますか... -
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第1話「既読と未払い」
最初の違和感は、死んだはずの名前から届いた通知だった。 夕飯を作ろうとしたとき、スマホが震えた。画面には、半年前に自殺したママ友──山下千夏。震える手でトークを開くと、一行だけ。 『まだ返してもらってないよ』 私は専業主婦の水川絵里。千夏とは... -
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本当は怖い話:呪術が“返してくる”もの
現代ではスピリチュアルや占いの延長線上で「呪術」という言葉が軽く扱われがちだが、本来の呪術は“因果をねじ曲げて何かを取り戻す行為”であり、代償なく成立することはない。今回は、古い寺院で発見された記録をもとに、呪術の実態とそこに潜む危険性を... -
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短編ホラー「まばたきしない警察官」
駅から家までの十五分、海風は湿っているのに、頬を刺すように冷たかった。海沿いの巨大な会場に向けたカウントダウン広告が大型ビジョンでまた一秒減る。夜空の端で打ち上がる光は祝祭の色をしているのに、胸の奥はやけに静かだ。スマホに目を落とすと、... -
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距離更新:RUN HOME ×100
新ルールを決めたのは、視聴者じゃない。通知だ。 HR 438ft(約133.5m)走行距離:×100=43,800ft(約13.3km)計測:2回裏 21:14 タイトルはこう変わった。「某スターが打つたび“飛距離の100倍”を走る」。シンプルで、無茶で、バズった。 一本目から、妙な... -
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本当は怖い話:ゾンビ麻薬が壊す“人間の最後の境界”
目次 結論(要点) ゾンビ麻薬とは何か 世界で起きている実被害 日本でも懸念される理由 怪異の始まり:深夜の通報 救急隊が見た“人間ではない動き” 医師が語った恐怖 男の証言と“壁の向こう” 合成ドラッグが人間の行動を壊す理由 その後に起きた二つの異... -
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本当は怖い話:睡眠代理(スリープ・プロキシ)
目次 1. 不眠の総理 2. 代行AI「公声」 3. 最初の“就寝スタンプ” 4. 消えた夜 5. 夢の閣議 6. 眠らないという決裁 7. 02:03 8. 終章――睡眠代理 1. 不眠の総理 午前二時、官邸の灯りはまだ落ちない。女性総理はマグの縁を指でなぞり、デスクのタブレットに... -
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本当は怖い話:個室13番
目次 深夜のクレーム 在席管理モニタの「赤」 個室13番 録画に映る“入室しない入室者” 退会済アカウント もう一つの13番 夜明けと“自動清掃完了” その後 1. 深夜のクレーム 午前2時すぎ。チェーン系ネットカフェ「ミッドナイト渋谷東口店」のナイトシフト... -
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本当は怖い話:遺失物000
目次 1. 渋谷の地下で 2. 入線――回送のはずが 3. 床の水と一枚の札 4. 取扱手順 5. 彼女の番号 6. 引換札 7. 渋谷遺失物係 関連リンク 1. 渋谷の地下で 渋谷の副都心線ホームは、夜と朝のあいだに沈んでいた。深いところで響くのは電車のモーター音だけ。... -
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【本当は怖い話】寄せメイクの終点――視聴者はいつも「2」
リングライトの円が黒目に二つ映る。私は寄せメイクの配信者だ。テロップに「今夜は“某アイドル風”」。ざわちんさんのように、骨格を読み替えて似せていくのがウリ。下地、コントゥア、ノーズシャドウ。視聴者は「なぞる手元」を見に来る。 1.“反転”の助...
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