1.結論(要点)
- 専修大学松戸中学校(通称「専松」)は、千葉県松戸市にある私立の中高一貫共学校。2000年に中学を開校した比較的新しい学校ながら、高校からの外部募集も含めた6年間で難関大学への進学実績を伸ばしている。
- 直近の大学合格実績では、東京大学・京都大学、一橋大・東京科学大・旧帝大を含む難関国公立、早慶上智、GMARCH、医学部医学科などに多数の合格者を出しており、「中堅上位〜難関手前ゾーンの進学校」として位置付けられる。
- 入試は1月下旬〜2月上旬にかけて複数回実施され、偏差値帯は概ね「四谷大塚基準で55前後」「日能研R4で50台半ば」「首都圏模試で65前後」。回次によって倍率・合格最低点が大きく変わるのが特徴。
- 校風は「文武両道」。生徒の約8〜9割が部活動に所属し、勉強とクラブ活動の両立を重視する一方、宿題は多く、週2回の放課後講座など学習面のフォローも手厚い。
- 「部活も頑張りながら、難関私大・国公立も視野に入れたい」層にとって、総合力・コスパのバランスがよい選択肢となる学校。
2.基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学校名 | 専修大学松戸中学校(専修大学松戸中学校・高等学校) |
| 校種 | 私立・共学校・中高一貫(高校からの募集あり) |
| 所在地 | 千葉県松戸市上本郷2-3621 |
| アクセス | JR常磐線(千代田線直通)「北松戸」駅 徒歩約10分 新京成線「松戸新田」駅 徒歩約15分 |
| 設立 | 高校:1959年開校/中学:2000年開校 |
| 系列 | 専修大学の附属校 |
| 生徒数(中学) | 各学年4クラス編成、1学年約150名(男女合計)。中学全体で約450名程度。 |
| 通称 | 「専松(せんまつ)」 |
| 教育ビジョン | 報恩奉仕・質実剛健・誠実力行の精神のもと、「社会に貢献できる知性豊かな人材の育成」。 |
3.2026年入試:名称・日程・配点
3-1 入試区分と日程
2026年度入試では、一般入試を複数回実施し、帰国生入試も併設されています。
| 区分 | 日程(2026年予定) | 試験時間帯 | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 第1回入試 | 1月20日(火) | 午前 | 100名 |
| 第2回入試 | 1月26日(月) | 午前 | 30名(帰国生含む) |
| 帰国生入試 | 第2回と同日実施 | 午前(学科)+面接 | 若干名 |
| 第3回入試A | 2月3日(火) | 午前 | 20名 |
| 第3回入試B | 2月3日(火) | 午後 | 若干名 |
出願期間はいずれも2025年12月17日から試験前日まで。受験料は1回25,000円、同時に複数回出願する場合は一括35,000円の設定です。
3-2 試験科目・配点・形式
| 区分 | 教科・試験時間 | 配点・満点 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 第1回入試 | 国語・算数・社会・理科(4科) | 4教科均等配点(合計約400点想定) | 一般的な4科入試。最も受験者が多い「本命回」。 |
| 第2回入試 | 国語・算数・社会・理科(4科) | 同上 | 募集定員が少なく、高倍率・高得点勝負になりやすい回。 |
| 帰国生入試 | 国語・算数・社会・理科+面接 | 4科+面接(日本語または英語) | 海外在住歴等の条件あり。詳細は募集要項参照。 |
| 第3回入試A | 国語・算数・社会・理科(4科) | 同上 | 2月3日午前実施。2月入試のラストチャンスの一つ。 |
| 第3回入試B | 国語・算数(2科)+自己PR面接 | 2教科合計+面接評価 | 学科試験に加えて、自己PRを含む面接を評価に反映。 |
※具体的な1科目あたりの時間配分・配点は年度によって微調整されるため、必ず最新の募集要項で確認してください。
4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)
模試によって偏差値の母集団が異なるため、「どのゾーンに属する学校か」を把握する際の目安として参照してください。
4-1 主な模試の80%合格ライン(目安)
| 模試 | 偏差値(目安) | コメント |
|---|---|---|
| SAPIX | 45前後 | 合格可能性80%ライン。上位生が多く受験するため他模試より低めに出る傾向。 |
| 日能研R4 | 54〜56前後 | 第1回54、第2回56程度とされることが多く、中堅上位〜難関手前ゾーン。 |
| 四谷大塚Aライン80 | 男子53〜54/女子55〜56前後 | 第1回・第2回が55前後、第3回はやや下とされるケースが多い。 |
| 首都圏模試(80%) | 65前後 | 首都圏模試の偏差値は全体として高めに出る(四谷+約10程度)ため、この違いを前提に見る。 |
SAPIX偏差値は「四谷・日能研−10前後」、首都圏模試偏差値は「四谷・日能研+10前後」と考えておくと、各模試間のレベル感を比較しやすくなります。
5.昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)
5-1 2025年度入試結果(概略)
2025年度一般入試の結果(男女合計)は次の通りです。
| 区分 | 募集人員 | 受験者数(目安) | 合格者数 | 実質倍率 | 合格最低点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1回入試 | 100名 | 約1,375名 | 612名 | 約2.2倍 | 181点 |
| 第2回入試 | 30名 | 約599名 | 144名 | 約4.2倍 | 215点 |
| 第3回入試 | 20名 | 約181名 | 49名 | 約3.7倍 | 190点 |
5-2 合格最低点から見る難度感
- 第1回:合格最低点 181点(総点の約半分弱)
- 第2回:合格最低点 215点(第1回より大幅に高く、高得点勝負)
- 第3回:合格最低点 190点(第1回と第2回の中間的水準)
第1回は受験者・合格者ともに多く「標準〜やや高め」、第2回は募集人員が少ないため最難関志望層も交えて高得点勝負、第3回は2月入試のラストチャンスとして一定の難度ながら、回によって合格ラインに差が出ています。
6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)
専修大学松戸中高一貫の6年間および高校募集を含めた最新の大学合格実績(2025年春、現役+既卒計)のイメージは下記のようになります。
| 区分 | 合格者数(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| 東京大学 | 2名 | 年によって1〜数名前後。京大と合わせて毎年数名規模。 |
| 国公立大学合計 | 約60〜70名 | 旧帝大・一橋・東京科学大などの難関を含む。 |
| 早稲田・慶應・上智 | 80〜90名程度 | 早稲田・慶應・上智への合計。 |
| GMARCH | 約400名 | 学習院・明治・青学・立教・中央・法政の合計。 |
| 医学部医学科 | 10〜20名程度 | 国公立+私立医学部の合計。 |
このほか、系列である専修大学への内部推薦枠も多数ありますが、実際に専修大へ進学するのは卒業生全体の1〜2割程度で、多くの生徒は他大学進学を目指します。難関私大・国公立を幅広く狙える「総合進学校」としての性格が強い学校です。
7.学費
7-1 2026年度 初年度納入金(目安)
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金 | 360,000円 | 入学手続時納入 |
| 授業料・施設費・諸経費 | 約 1,077,000円 | 学年費、教育充実費等を含む年間目安 |
| 初年度合計 | 約 1,437,000円 | 中1の1年間で学校へ納入する概算額 |
7-2 月額ベースのイメージ
- 授業料:32,000円/月
- 施設維持費:4,000円/月
- 教育充実費・その他諸経費:14,000円前後/月
- → 合計:約5万円/月程度
このほか、教科書・副教材費、制服・指定品、研修旅行費、模試代などが別途発生します。中学3年間のトータルでは、学費ベースで約330万円程度が目安となります。
8.校風・学びの特色
8-1 校風
- 建学の精神「報恩奉仕・質実剛健・誠実力行」のもと、「社会に貢献できる知性豊かな人材の育成」を掲げる。
- 生徒の約85%が部活動に所属し、文武両道を基本とする校風。
- 宿題量はかなり多めで、週2回の放課後講座(補講・講習)があるなど、面倒見のよい進学校タイプ。
- 自主性と向上心を重視し、「自分で考え行動する」姿勢を求める一方、勉強面でのフォローも手厚い。
8-2 6年一貫カリキュラム
- 中高6年を「基礎期(中1・中2)」「充実期(中3・高1)」「発展期(高2・高3)」の3段階に区分した一貫カリキュラム。
- 中1・中2は共通カリキュラムで基礎学力を固め、中2から英語・数学で習熟度別授業を導入。
- 中3進級時に内部生は選抜クラス(I類)と一般クラス(II類)に分かれ、高校進学時に再編成。
- 高2から文系・理系コースに分かれ、志望大学レベルや進路に合わせた発展的学習を行う。
8-3 英語・国際教育
- 中1〜中3で週2時間の英会話授業(ネイティブ+日本人教師のTT)を実施し、「使える英語」を重視。
- 独自の英語スペース(Ambitionホール)を設置し、英語書籍やボードゲームなどで日常的に英語に触れられる環境を整備。
- 中3で米国ネブラスカ州へのホームステイ・サマースクールを組み込んだ修学旅行を実施(ホームステイ・現地校での授業体験)。
9.部活動
体育系・文化系ともにクラブ活動が盛んで、ほとんどの生徒が何らかの部に所属しています。
9-1 主な運動部
- 野球部・サッカー部・テニス部・バスケットボール部・バレーボール部
- 陸上競技部・水泳部・バドミントン部 ほか
9-2 主な文化部
- 合唱部・吹奏楽部・書道部・美術部・茶道部・英語部・科学部 など
9-3 特徴・実績
- 合唱部・陸上部などは全国クラスの実績を持つ強豪。
- 体育館4つ、人工芝グラウンド、50mプールなど施設面が充実しており、練習環境は非常に恵まれている。
- 定期テスト前には部活オフ期間を設けるなど、学業優先の配慮もされている。
10.アクセス
| 最寄り | ルート | 概算時間 |
|---|---|---|
| JR常磐線 北松戸駅 | 徒歩 | 約10分 |
| 新京成線 松戸新田駅 | 徒歩 | 約15分 |
松戸市内だけでなく、常磐線・千代田線直通を利用して都内や他県からの通学も多い学校です。駅からの道は大通りが中心で、人通りも多く、治安面の評価も比較的良好です。
11.併願の考え方
11-1 千葉入試内での位置づけ
- 千葉の最上位:渋幕・市川・東邦大東邦・昭和学院秀英 など
- 準上位〜中堅上位:専修大松戸・芝浦工大柏・麗澤・江戸川学園取手(千葉・茨城圏) など
専修大松戸は「最上位校の一段下〜中堅上位ゾーン」として、難関校志望者の併願校・安全校となるケースも多く、一方で「専松を第一志望」とする受験生も一定数存在します。
11-2 日程上の注意点と典型パターン
- 第1回入試(1/20)は市川中など他の上位校と日程が重なりやすく、「市川か専松か」を選択する必要がある年も多い。
- 難関志望層の場合:
- 栄東A日程 → 市川/渋幕 → 専修大松戸第2回 or 第3回 という流れで「抑え」を固めるパターン。
- 専修大松戸第一志望層の場合:
- 1月の他校(やや易しめ)で合格を確保しつつ、第1回専松を本命として受験、第2回・第3回で再チャレンジという構成。
11-3 手続き・複数回受験のポイント
- 複数回入試があるため、本命であれば2〜3回出願して合格チャンスを最大化する戦略が取りやすい。
- 第1回・第2回合格者は、入学金の一部(5万円)を納入して他校の結果を待てるため、抑え校としても使いやすい。
- 「どこまでが第一志望群か」「どこからを安全校とするか」を決めたうえで、日程と難度のバランスを取って併願設計を行うことが重要。
12.対策の要点
12-1 全体方針
- 4科とも「標準〜やや難」の良問が中心で、奇問・パズル的問題は少ない。
- まずは基本問題の取りこぼしをなくすこと、その上で応用問題でどこまで加点できるかが勝負。
- 過去問で出題形式と時間配分に慣れ、模試での得点状況と照らし合わせて戦略を立てる。
12-2 算数
- 大問構成は5題前後。冒頭の小問集合(計算・一行問題)で確実に得点することが最重要。
- 頻出分野:比・割合・速さ・平面図形・立体図形・文章題(和と差・仕事算など)。
- 図形は立体の切断や移動など「イメージ力」が要る問題が多いが、条件自体は標準的。
- 基礎〜標準レベルを完璧にした上で、応用問題の取り組み方(全問完答を狙わず、取るべき問題を確実に)を決めておく。
12-3 国語
- 漢字・知識問題+物語文・説明文の長文読解2題構成が基本。
- 物語文は心情把握、説明文は論理展開の理解が重要で、記述よりも選択肢問題の精度が問われる。
- 日頃から文章を丁寧に読み、設問の根拠となる箇所を本文から探す習慣をつける。
- 語彙力強化のための「言葉の意味」「慣用句」「ことわざ」などのインプットも必須。
12-4 理科
- 物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題。
- 大問1は小問集合で、基本用語・典型問題を確実に拾うことで得点の底上げが可能。
- 計算問題・作図問題も標準レベルが中心なので、「公式の意味」と「典型パターン」をしっかり理解しておく。
- 大問1内で、その年の科学ニュースなどを扱う時事問題が出ることもあるため、入試前に1年分の科学トピックを確認しておくと安心。
12-5 社会
- 地理・歴史・公民からバランスよく出題され、大問5題構成が基本。
- 地形図や統計資料を用いた問題が多く、「資料を読み取り、そこから言えることを整理する力」が重要。
- 公民分野では、政治制度・経済の仕組み・国際問題など、教科書レベルの基礎をきちんと押さえること。
- 基本用語の暗記と並行して、資料問題・時事問題の演習を積み、思考問題にも対応できるようにする。
13.口コミの読み方
インターネット上の口コミサイト(みんなの学校情報・インターエデュ・Googleレビューなど)から読み取れる専修大松戸の評価は、おおむね次のような傾向があります。
13-1 ポジティブな声
- 「部活動が盛んで、学校生活が楽しい」
- 「宿題は多いが、授業+補講でしっかり面倒を見てくれる」
- 「真面目な生徒が多く、荒れた雰囲気は感じない」
- 「中堅上位校としては大学実績が非常に安定していて安心感がある」
13-2 ネガティブ/注意点
- 「宿題が多く、部活との両立が大変」という声。
- 「高校からの外部進学生を含めて競争が激しく、成績が真ん中〜下だと厳しく感じることもある」という意見。
- 「校則は比較的緩めで、自己管理ができないと流されやすい」という指摘。
口コミはあくまで個々の主観に基づくものです。投稿時期・投稿者の立場(在校生・卒業生・保護者など)を意識しつつ、複数サイトの情報を横断的に読み、最後は「わが子のタイプと合うかどうか」という観点で判断することが重要です。
14.出典・根拠リンク
※URLは実際のサイト構成に応じて調整してください。
- 専修大学松戸中学校・高等学校 公式サイト(入試要項・学校案内・教育方針・行事)
- 四谷大塚「中学受験の四谷大塚」専修大学松戸中学校データ(偏差値・入試情報)
- 首都圏模試センター 学校情報【専修大学松戸中学校】(偏差値・学校概要)
- 中学受験スタディ/StudySearch などの学校情報サイト(学費・カリキュラム・大学合格実績)
- 日能研「予想R4一覧・結果R4一覧」(専修大学松戸中学校の偏差値・倍率)
- ダイヤモンド・オンライン 教育ラボ「専修大学松戸中学校の合格者が一番多い塾はどこ?」(偏差値・入試結果・塾別合格者数)
- らくたのスクール ほか中学受験情報サイト(学校紹介・学費・評判)
- みんなの学校情報・インターエデュ・Googleレビュー等の口コミサイト(評価・体験談)
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