1.結論(要点)
東海大学付属浦安中等部(以下、東海大浦安)は、東海大学への内部進学を軸とした 私立共学校です。中学〜高校の6年間を通じて基礎学力の定着と人間教育に力を入れ、 高校卒業時には約8割が東海大学へ内部進学する、いわゆる「大学附属型」の学校です。
偏差値レンジは、SAPIXで30台後半〜40前後、日能研R4で40前後、 四谷大塚80%偏差値で42前後、首都圏模試80%偏差値で50前後といった中堅ゾーンです。 「難問がズラリ」というタイプではなく、標準レベルの問題を確実に取れるかどうかがポイントになります。
2026年度入試は推薦試験(12月)・A試験(1/20)・B試験(1/24)の3区分。 推薦は第一志望専願・4科+面接、A・Bは4科(Bは2科型選択可)で学力を判定します。 昨年度の合格最低点はA試験4科で184点/300点(約61%)、B試験4科で160点/300点(約53%)、 B試験2科で103点/200点(約51%)と、いずれも「5〜6割取れれば合格圏」という水準です。
大学進学実績は東海大学が中心で、他大学(国公立・GMARCH等)への進学は上位層の一部に限られます。 「中学に入れてしまえば大学までの進路がほぼ見通せる学校」を求めるご家庭に向くタイプと言えます。
2.基本データ
| 学校名 | 東海大学付属浦安高等学校 中等部 |
|---|---|
| 所在地 | 〒279-0023 千葉県浦安市東野3-11-1 |
| アクセス | JR京葉線「舞浜」駅 徒歩約18分/ 東京メトロ東西線「浦安」駅・JR「新浦安」駅などから バス約10分「東海大浦安高校前」下車 |
| 区分 | 私立・共学・中高一貫(高校からの外部募集あり) |
| 設置者 | 学校法人 東海大学 |
| 沿革 | 1955年 高校創立/1975年 現キャンパス移転/1988年 中等部開設 |
| 生徒数 | 中高一貫部 約1,700名(中等部 各学年4クラス程度) |
| 系列大学 | 東海大学(特別付属校として内部推薦制度あり) |
| 教育体制 | 3学期制・週6日制。1コマ50分授業。 中等部で週33時間程度、主要5教科を厚めに設定。 |
3.2026年入試:名称・日程・配点
3-1.入試区分と日程
| 区分 | 日程(2026年) | 募集定員 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 推薦試験 | 12月1日(月) | 約70名 | 第一志望専願・4科+面接 |
| A試験 | 1月20日(火) | 約30名 | 4科/面接なし |
| B試験 | 1月24日(土) | 約20名 | 4科または2科(国算)選択・面接なし |
※出願期間や詳細は、必ず学校公式「2026年度 生徒募集要項」で最新情報を確認してください。
3-2.試験科目・配点・時間
| 区分 | 教科 | 配点 | 試験時間 | 満点 |
|---|---|---|---|---|
| 推薦試験 | 国語・算数・理科・社会+面接 | 国100/算100/理50/社50 | 各50〜60分+面接 | 300点+面接 |
| A試験(4科) | 国語・算数・理科・社会 | 国100/算100/理50/社50 | 国算各50分/理社合計60分 | 300点 |
| B試験(4科) | 国語・算数・理科・社会 | 国100/算100/理50/社50 | 国算各50分/理社合計60分 | 300点 |
| B試験(2科) | 国語・算数 | 国100/算100 | 各50分 | 200点 |
受験料は1回20,000円(A・B同時出願の場合は30,000円)。すべてインターネット出願です。
4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)
東海大浦安中等部の難易度イメージを、主要模試の80%ライン(合格可能性80%)ベースで整理すると次の通りです。
| 模試 | 偏差値(目安) | コメント |
|---|---|---|
| SAPIX | 37〜39前後 | 男子・女子とも中堅帯 |
| 日能研 R4 | 40前後 | R4=合格可能性50%ライン |
| 四谷大塚 80% | 42前後 | 第1回4科のAライン目安 |
| 首都圏模試 80% | 50前後 | 母集団の違いにより10程度高く出る傾向 |
概ね「日能研・四谷で40前後、首都圏模試で50前後」の中堅ゾーンに位置します。 難関校の“おさえ”というより、東海大学進学を見据えた第一志望校として選ぶご家庭が中心です。
5.昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)
5-1.募集・志願・合格状況(概略)
| 区分 | 募集 | 応募(志願) | 合格者 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 推薦試験 | 70 | 約115 | 約82 | 約1.4倍 |
| A試験 | 30 | 約550 | 約260 | 約2.1倍 |
| B試験 | 20 | 約430 | 約150 | 約2.7倍 |
5-2.合格最低点・合格ラインのイメージ
| 区分 | 方式 | 満点 | 合格最低点 | 得点率目安 |
|---|---|---|---|---|
| A試験 | 4科 | 300点 | 184点 | 約61% |
| B試験 | 4科 | 300点 | 160点 | 約53% |
| B試験 | 2科 | 200点 | 103点 | 約51% |
合格者平均はA入試で約192点(64%)、B入試4科で約180点(60%)とされており、 「5割強〜6割」を安定して取れるかどうかがひとつの目安です。
6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)
東海大浦安の最大の特徴は東海大学への内部進学率の高さです。 毎年卒業生の約8割が東海大学へ進学し、進学率は95%以上とされています。
| 区分 | 合格者数(2025年例) | コメント |
|---|---|---|
| 東京大学 | 0名 | 最難関層の外部進学はごく少数 |
| 国公立大学 計 | 2名 | 千葉大など地元国立への進学例あり |
| 医学部医学科 | 7名 | 東海大医学部を中心に毎年数名 |
| 早慶上智 | ほぼ0名 | 年度により若干変動 |
| GMARCH | 6名程度 | 他大受験組の一部が合格 |
| 東海大学 | 約300名 | 医学部含む。卒業生の約8割が内部進学 |
基本路線は「東海大学への安定した進学」であり、 上位層の一部が国公立やGMARCH等へチャレンジする形です。 「超難関大学を多数出す進学校」というタイプではない点は押さえておきましょう。
7.学費
2025年度のデータをもとにした、中等部1年次の費用イメージは下記の通りです。
| 項目 | 金額(年額・概算) | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金 | 160,000円 | 入学時一括納入 |
| 授業料 | 372,000円 | 月額31,000円相当 |
| 施設設備費等 | 328,000円 | 校舎・設備維持等 |
| 諸会費・生徒会費等 | 約58,000円 | 後援会費など含む |
| 教科書・学用品等 | 約127,000円 | 1年次のみ高め |
| iPad端末代 | 約63,800円 | 初年度のみ |
| 海外英語研修積立金 | 年額 約130,000円 (3年合計 約389,000円) | 中3ニュージーランド研修ほか |
| 初年度総額目安 | 約1,250,000円前後 | 制服・通学定期など別途 |
2年次以降は入学金が不要となり、年間の学校納付金はおおむね60〜70万円+諸経費となります。 奨学金や特待制度は限定的で、「学費は平均的な私立中学並み」という印象です。
8.校風・学びの特色
8-1.校風
校訓は「知・徳・体」のバランス重視。シティズンシップ教育を掲げ、 「高い目標に挑戦する意欲」「他者への思いやり」「自分で考え行動する姿勢」を育てることを重視しています。
口コミでは「穏やかでギスギスしていない」「生徒同士の雰囲気が良い」という声が多く、 全体としてはのびのびとした空気感です。一方で、 「勉強するかどうかは本人次第」というニュアンスの口コミもあり、 自分でペースを作れるタイプに向く校風と言えます。
8-2.学びの特色
- 中等部から週6日制・主要5教科を厚く配置し、基礎学力をしっかり固める。
- 数学・英語では習熟度別少人数授業を実施し、苦手・得意に応じた指導。
- 中1:TOKYO GLOBAL GATEWAY体験、中2:British Hills研修、中3:NZホームステイ研修など、段階的な英語教育。
- 「現代文明論」など独自科目で、人間・社会・自然について深く考える時間を設けている。
- 高校段階では東海大学の各学部と連携した体験授業や見学会も実施。
総じて「受験テクニック」よりも、「社会に出てから通用する基礎力・人間力」という軸の教育設計です。
9.部活動
中高あわせて約20の部活動があり、生徒の約9割が部活に所属しています。 中等部生は高校生と一緒に活動するクラブも多く、縦のつながりが強いのが特徴です。
9-1.運動部(例)
- 野球部(専用グラウンド有)
- サッカー部
- バスケットボール部
- テニス部
- 卓球部
- 水泳部
- バドミントン部
- ダンス部 など
9-2.文化部(例)
- 吹奏楽部
- 演劇部
- 英会話部
- 科学部(物理・化学・生物)
- コンピュータサイエンス部
- 鉄道研究部
- 美術部・書道部 など
勉強と両立しやすい活動量の部が多く、「6年間を楽しく過ごしたい」「部活もそこそこ頑張りたい」 といったタイプには相性の良い環境です。
10.アクセス
- JR京葉線「舞浜」駅 徒歩約18分
- 東京メトロ東西線「浦安」駅からバス約10分「東海大浦安高校前」下車
- JR京葉線「新浦安」駅からバス約10分「東海大浦安高校前」下車
舞浜駅から歩ける距離にあり、ディズニーリゾート近くの比較的開けたエリアです。 バス路線が充実しているため、千葉県内に限らず都内・埼玉方面から通学する生徒も多く在籍しています。
11.併願の考え方
11-1.東海大浦安を第一志望とする場合
- 12月:推薦試験(第一志望専願)で合格を狙う。
- 推薦不合格の場合に備え、1月前半の埼玉・千葉の学校(例:栄東、市川、千葉日大一中など)を経験校・併願校として受験。
- 1/20 A試験・1/24 B試験を本命として受験し、A+Bの二段構えにする。
推薦で合格すれば早期に進路が確定するため、精神的な負担を大きく下げられます。
11-2.東海大浦安を併願校とする場合
- より進学実績の良い中堅校(千葉日大一中・独協埼玉・明大中野八王子など)を第一志望とし、その押さえとしてAまたはBを出願。
- 大学附属志向の中で比較し、「日大系か東海大系か」で検討するケースも多い。
「大学附属の安心感」を軸に学校選びをするか、「高校で再度勝負する進学校型」を選ぶか、 ご家庭の方針によって併願校は大きく変わってきます。
12.対策の要点
12-1.全体方針
東海大浦安の入試は、難関校にありがちな「奇問・難問」は少なく、 教科書レベル〜標準問題を確実に取る力があれば十分戦えます。 合格ラインが5〜6割という点からも、まずは「基礎の取りこぼしゼロ」を目標にすべきです。
12-2.科目別のポイント
- 算数:計算問題+一行問題+標準的な文章題が中心。図形は少なめで、速さ・割合・文章題の読解力が重要。標準問題集を反復し、計算ミスを徹底して減らす。
- 国語:説明文+物語文の読解に加え、漢字・語句等の知識問題。選択肢・抜き出しが多く、記述は短め。教科書レベルの文章を丁寧に読み、「なぜその答えになるか」を説明できるようにする。
- 理科:4分野から基本〜標準問題を幅広く出題。計算問題は典型パターンが多いので、教科書準拠問題集で十分対応可能。用語暗記+原理の理解をセットで行う。
- 社会:地理・歴史・公民の基本用語と、資料(地図・グラフ)読み取り。難問は少ないため、教科書の太字と基本問題集を完璧にしておけば合格点には届きやすい。
理社の時間は合算60分のため、過去問を使って時間配分の練習をしておくと安心です。 志望度が高い場合は、6年生の秋〜冬にかけて直近3〜5年分を目安に過去問を解き、 各年度の合格最低点と自分の得点を比較しながら、弱点補強を進めてください。
13.口コミの読み方
インターエデュや「みんなの学校情報」には、東海大浦安について多くの口コミが投稿されています。 主な傾向は次の通りです。
ポジティブな声
- 「内部進学の安心感があり、受験に追われない6年間を送れる」
- 「校舎やグラウンドが広く、施設がきれい」「舞浜近くで通学しやすい」
- 「生徒同士の雰囲気が良く、いじめはあまり聞かない」「先生が親身になって話を聞いてくれる」
ネガティブ/注意したい声
- 「東海大に行く学校、という色合いが強く、他大学受験へのサポートは限定的」
- 「勉強するかどうかは本人次第で、放っておかれると楽な方向に流れやすい」
- 「教師の当たり外れが大きい」「一部の先生の指導力に不満」という口コミも少数あり
大学附属校である以上、「東海大進学」をメリットと捉えるかどうかで評価は大きく分かれます。 口コミはあくまで個人の感想なので、学校説明会や文化祭で実際の雰囲気を確認し、 本記事のような客観データと合わせて判断するのが安全です。
14.出典・根拠リンク(主なもの)
- 東海大学付属浦安高等学校中等部 公式サイト(学校案内・入試要項・進路情報)
- 中学受験スタディ「東海大浦安中等部」基本情報・入試結果・学費
- 四谷大塚「東海大浦安中等部」偏差値データ・合不合判定テスト
- 日能研R4一覧(首都圏版)・首都圏模試センター「学校別偏差値一覧」
- インターエデュ「東海大浦安」関連スレッド・みんなの学校情報(口コミ)
※数値・日程等は記事作成時点での公開情報をもとにしています。 出願前には必ず学校公式の募集要項・説明会資料で最新情報をご確認ください。
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