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麻布中学校〖2026年入試〗徹底解説

目次

1.結論(要点)

麻布中学校は、開成・武蔵と並ぶ「男子御三家」の一角であり、2026年度入試でも最難関ゾーンに位置づけられる男子校です。
2025年度入試では、出願者761名・受験者737名に対して合格者340名、実質倍率約2.2倍、合格最低点は200点満点中104点(得点率約52%)でした。
SAPIX・日能研・四谷大塚・首都圏模試センターなど主要模試の偏差値はいずれも最上位帯にあり、 「算国理社すべてで読解力・思考力・記述力をフル稼働させる入試」と理解しておく必要があります。

  • 校風は「自由闊達・自主自立」。制服・校則は最小限で、生徒の自己管理能力が強く求められる。
  • 入試は2月1日午前・4教科一発勝負。合格の目安は総合で約6割確保(安全圏)を意識。
  • 大学進学実績は、2025年度に東京大学83名・国公立大計187名・早慶309名・GMARCH等多数と、トップクラス。
  • 併願では、開成・武蔵・駒場東邦・栄光・聖光・渋渋などとの組み合わせが多く、戦略設計が重要。

2.基本データ

学校名麻布中学校(附属:麻布高等学校)
所在地〒106-0046 東京都港区元麻布2-3-29
電話番号03-3446-6541
区分私立・男子校・中高一貫(高校募集なし)
募集定員中学第1学年 300名
創立1895年(明治28年)
教育理念自由闊達・自主自立の精神を重んじるリベラルな教育

3.2026年入試:名称・日程・配点

3-1.募集区分・日程・出願

募集区分一般
対象2026年3月小学校卒業見込みの男子(海外校の場合はこれに相当する者)
募集人員300名
試験日2026年2月1日(日)
集合時刻午前8時30分
試験教科国語・算数・社会・理科(4教科)
合格発表2026年2月3日(火) 午後3時〜5時(予定)・校内掲示および学校ホームページ
出願期間2026年1月10日(土)午前9時〜1月20日(火)午後1時
出願方法インターネット出願(別途「インターネット出願手続について」を参照)
受験料30,000円(クレジットカード等・詳細は学校HP参照)

3-2.試験時間・配点(目安)

2025年度募集要項および入試実績を基にした2026年度試験の想定配点です(大枠に変更はない見込み)。

教科試験時間配点
国語60分60点
算数60分60点
社会50分40点
理科50分40点
合計220分(実質4教科で約3時間40分)200点満点

※正式な配点・時間は必ず最新の募集要項PDFで確認してください。

4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

合格可能性80%ライン付近の最新データ(2026年入試想定)です。偏差値の基準や母集団が異なるため、あくまで相対比較の目安として利用してください。

模試・指標入試日偏差値備考
SAPIX 合格力判定SO(男子・2025年9月)2月1日592026年入試向け予想偏差値80%ライン
日能研 R4予想(首都圏男子校)2月1日66合格可能性80%R4。開成72・麻布66・武蔵66等
四谷大塚 合不合判定テスト Aライン802月1日65前後男子難関校ゾーン(開成・麻布・武蔵・駒場東邦など)
首都圏模試センター 予想偏差値(男子・9月版)2月1日76男子御三家として開成78・麻布76・武蔵74

5.昨年度の入試結果と合格基準点

直近3年間の入試データです。合格最低点から、目標得点率のイメージを固めてください。

年度出願者数受験者数合格者数実質倍率合格最低点
2025年761737340約2.2倍104点/200点
2024年826352約2.3倍105点/200点
2023年918365約2.5倍105点/200点

合格ラインは例年「得点率約55%」付近にあり、合格安全圏としては「60%(120点/200点)」を一つの目標と考えると戦略が立てやすくなります。

6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)

2025年度の大学合格実績(現役・既卒含む)の概要です。

6-1.国公立大学

大学名合格者数(合計)うち現役
東京大学83名52名
京都大学20名15名
一橋大学14名9名
東京科学大学23名16名
北海道大学9名4名
横浜国立大学6名4名
国公立大学合計187名117名

6-2.早慶上智・GMARCH・主要私立

大学群大学名合格者数(合計)
早慶早稲田大学181名
早慶慶應義塾大学128名
上智上智大学31名
理科大東京理科大学64名
GMARCH明治大学55名
GMARCH中央大学38名
GMARCH青山学院大学8名
GMARCH立教大学5名
GMARCH法政大学21名

6-3.医学部医学科

医学部医学科には、国公私立34大学に計69名が合格しています(東京大学理科三類の2名は除く)。
難関医学部・医科大(慶應義塾大学医学部・東京慈恵会医科大学・日本医科大学など)への合格者も多数おり、 医学部志望にとっても非常に強力な進学実績です。

7.学費(2025年度実績ベース)

2025年度の学納金実績を基にした概算です。2026年度以降は改定の可能性があります。

項目年額月額換算
入学金300,000円
授業料542,400円45,200円
維持費144,000円12,000円
実験実習費51,600円4,300円
施設設備費126,000円
生徒活動費7,400円
PTA会費4,800円
ICT端末機器購入費・保守契約費約100,000円(iPadなど)
初年度納入金目安約1,276,200円 + 制服・教材費等

加えて、4月以降に「寄付金(任意・1口1万円×20口以上)」のお願いがあります。

8.校風・学びの特色

  • 自由闊達・自主自立:制服・細かな校則はなく、「自分で考え、自分で動く」ことが前提。生徒自治会や文化祭実行委員会など、生徒主体の活動が活発です。
  • 「麻布三禁」と呼ばれる最低限のルール:校内での麻雀・授業中の飲食など、ごく基本的な禁止事項のみで運営されていることが象徴的です。
  • 多様な価値観と進路:東大・医学部を目指す生徒に加え、海外大学・文系学部・芸術系など志望も多彩で、進路指導も画一的ではありません。
  • 探究型・記述型の学び:授業や校内課題もレポート・研究発表・討論などが多く、入試問題同様に「読んで考えて書く」力を鍛えるカリキュラムです。

9.部活動

運動部・文化部ともに選択肢が多く、「好きなことをとことんやる」生徒が多いのが特徴です。

  • 運動部:サッカー部・野球部・テニス部・バスケットボール部・陸上競技部・ハンドボール部 など
  • 文化部:物理部・化学部・生物部・数学研究会・地理歴史部・鉄道研究部・映画研究部・オセロ部 など
  • 行事:文化祭(5月)・運動会・学年旅行・国際交流プログラム等、生徒企画のイベントが多い。

難関受験校でありながら、部活動や行事にも全力で取り組む生徒が多く、「勉強も遊びも本気」という雰囲気です。

10.アクセス

港区元麻布の住宅街の中にあり、最寄り駅からはいずれも徒歩圏ですが、坂道も多いため通学ルートの確認が必須です。

路線駅・出口徒歩所要時間
東京メトロ日比谷線広尾駅 1番出口徒歩約10分
都営大江戸線麻布十番駅 駐車場出口徒歩約12分
東京メトロ南北線麻布十番駅 1・4番出口徒歩約15分
東京メトロ千代田線乃木坂駅 5番出口徒歩約20分
都営バス「愛育クリニック前」「日赤医療センター下」停留所 ほか徒歩1〜8分程度

11.併願の考え方

麻布を第一志望にする場合の、典型的な併願パターンのイメージです(具体的な組み合わせは塾・ご家庭で要検討)。

  • ①「御三家軸」パターン
    1/10〜1/20:栄東・市川など埼玉・千葉の前受け校
    2/1午前:麻布(本命)/2/1午後:巣鴨・広尾学園インターなど
    2/2午前:聖光学院・海城・渋谷教育学園渋谷 など
    2/3午前:武蔵・駒場東邦・栄光学園 など
  • ②「開成とのダブルチャレンジ」パターン
    2/1午前:開成 or 麻布を選択し、もう一方を2/3以降に設定した安全校と組み合わせるケース。
    体力・精神的負荷が大きくなるため、合格可能性だけでなくお子様のタイプも要確認です。
  • ③「麻布+やや抑え」パターン
    麻布を第一志望としつつ、2/1午後・2/2・2/3で巣鴨・本郷・攻玉社・世田谷学園など偏差値1〜2段階下の学校を併願し、「確実な合格」を確保する設計。

いずれのパターンでも、1/10〜1月後半の前受け校で本番形式に慣れておき、
「2/1午前の麻布に最高のコンディションで臨む」ことを最優先に考えるのがポイントです。

12.対策の要点

麻布の入試は4教科すべてで「読解・思考・記述」が重視されます。科目別の対策ポイントは次のとおりです。

12-1.国語

  • 長文1題・ほぼ全問記述という構成が定番。6,000〜8,000字級の文章を読み切る持久力が必要。
  • 物語文中心で、人物の心情・関係性・場面の変化を丁寧に追う読解が求められる。
  • 記述は「因果関係(なぜ・だから)」を明確にし、40〜80字の答案を素早くまとめる訓練が必須。
  • 過去問演習は6年夏以降の主軸。添削指導を受け、表現の精度を高めることが重要です。

12-2.算数

  • 基本〜標準レベルの問題を取りこぼさず7割前後を狙う戦略が現実的。
  • 「数の性質」「割合と比」「速さ」「平面図形(正多角形・円)」「立体図形」「場合の数」「規則性」が頻出。
  • 途中式や考え方を書かせる問題が多く、論理的な説明力も採点対象となる。
  • 塾のテキスト+過去問で「麻布らしい発想問題」に慣れ、途中で詰まったときの撤退判断も含めた時間配分の練習を行う。

12-3.社会

  • 1つのテーマを軸に、地理・歴史・公民を横断する長文+資料問題が出題される。
  • 知識問題だけでなく、「理由・背景・影響」を書かせる記述・論述が多い。
  • 資料読み取り(グラフ・統計・年表・地図)と、自分の言葉でまとめる力をセットで鍛える必要がある。
  • 時事問題とのリンクも頻繁なため、新聞・ニュースを日常的にチェックする習慣づくりが有効。

12-4.理科

  • 大問4題構成で、身近な現象や実験設定を題材にした「考えさせる問題」が多い。
  • 4分野(物理・化学・生物・地学)の基礎知識を土台に、グラフ・表・実験結果から因果関係を読み解く力が問われる。
  • 公式や暗記だけでは対応しきれないため、「なぜそうなるのか」を普段から言語化する習慣が重要。
  • 過去問では「設問文の長さ」にまず慣れ、そのうえで設問ごとの難度と得点効率を意識した捨て問判断を訓練する。

13.口コミの読み方

インターエデュなどの掲示板や口コミサイトでは、麻布の「自由」「課題量」「進学実績」「学校行事」についてさまざまな意見が見られます。

  • ポジティブな声:自由な校風・個性を尊重する雰囲気・生徒主体の行事・OBネットワークの強さなど。
  • ネガティブな声:自己管理ができないと勉強が後回しになる・放任と感じる保護者もいる・アクセスの坂道がきつい等。

どの学校にも賛否両論があります。口コミは「その人の価値観・お子さんのタイプに依存した一意見」として読み、 必ず学校説明会や文化祭で実際の雰囲気を確認することをおすすめします。

14.出典・根拠リンク

  • 麻布学園 公式サイト(募集要項・入試実績・卒業生の進路状況)
  • 育伸社「2025年度 国立中学・公立中高一貫校・私立中学 入試結果(東京都)」
  • リセマム「2026中学受験 SAPIX男子偏差値」「東京都私立中学の入試日程・定員・偏差値まとめ(男子版)」
  • 日能研「2026年入試 予想R4一覧(首都圏男子)」
  • 首都圏模試センター「2026年中学入試予想偏差値一覧(男子)」
  • 名門会ブログ「中学受験2026年度版 麻布中の入試傾向と対策」
  • 大学合格実績:リセマム「麻布の大学合格実績2025、東大83人・早慶309人」
  • 交通アクセス:日能研学校情報・スクールネット各種サイト

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