※本記事のデータは2025年12月時点の公表情報・大手模試データ等をもとに整理しています。出願前には必ず開成中学校公式サイト・最新版「生徒募集要項」で最終確認をしてください。
目次
- 結論(要点)
- 基本データ
- 2026年入試:名称・日程・配点
- 偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)
- 昨年度の入試結果と合格基準点
- 進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)
- 学費
- 校風・学びの特色
- 部活動
- アクセス
- 併願の考え方
- 対策の要点
- 口コミの読み方
- 出典・根拠リンク
- 関連記事(東京・男子最難関ゾーン)
1.結論(要点)
- 開成中学校は、東京都荒川区西日暮里にある私立男子校で、「知性・自由・質実剛健」「進取の気性」を掲げる首都圏男子最難関校です。東大合格者数は全国トップクラスを維持しつつ、国公立大・医学部・早慶上智にも幅広く合格者を輩出しています。
- 2026年中学入試は 2月1日(日)午前、4科(国語・算数・理科・社会)一発勝負で募集定員300名。配点は310点満点(国85・算85・理70・社70)という構成です。
- 主要模試の偏差値は、SAPIX 68前後/日能研R4 72/四谷大塚Aライン80偏差値 72/首都圏模試80% 78前後 と、いずれも首都圏男子校で最高水準に位置します(数値はいずれも2026年入試向けまたは直近データの目安)。
- 2025年度入試の合格最低点は202点/310点(約65%)。直近10年平均の合格最低点はおおむね210点前後(約68~70%)で推移しており、「7割弱を安定して取れる力」が合格ラインのイメージです。
- 校風は「自由だが放任ではない」タイプ。制服なし・校則は最小限で、生徒の自主性とリーダーシップに大きく委ねる一方、授業・行事・部活動はいずれも高い水準で運営されます。「自ら動き、勝手に伸びていくタイプ」の男子と非常に相性が良い学校です。
2.基本データ
| 学校名 | 開成中学校・高等学校(Kaisei Junior & Senior High School) |
|---|---|
| 区分 | 私立・男子校・中高一貫(高校からの募集ありの併設型) |
| 所在地 | 〒116-0013 東京都荒川区西日暮里4-2-4 |
| 最寄り駅 | JR山手線・京浜東北線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー「西日暮里」駅 徒歩3〜5分程度 |
| 設立 | 1871年(明治4年)、創立者 佐野鼎により前身「共立学校」として開校。2021年に創立150周年。 |
| 教育理念・キーワード | 「知性・自由・質実剛健」「進取の気性」──基礎学力の徹底と、時代を切り拓くリーダーの育成を重視。 |
| 公式サイト | https://kaiseigakuen.jp/ |
3.2026年入試:名称・日程・配点
※以下は2026年度入試向け「中学入試概要」等をもとにした整理です。必ず公式サイトの最新版募集要項で確認してください。
3-1.入試全体像
- 募集:中学第1学年 男子 300名
- 試験日:2026年2月1日(日)午前
- 試験会場:開成学園(西日暮里キャンパス)
- 試験科目:国語・算数・理科・社会(4科)
- 出願方法:インターネット出願
- 受験料:1回 28,000円前後
- 合格発表:2026年2月3日(Web発表)
3-2.試験科目・配点・時間
| 科目 | 時間 | 配点 | コメント |
|---|---|---|---|
| 国語 | 50分 | 85点 | 長文読解+記述が中心。語彙・論理的読解力が重視されます。 |
| 算数 | 60分 | 85点 | 思考力重視の良問が多く、「方針を立てて書き切る力」が問われます。 |
| 理科 | 40分 | 70点 | 物理・化学・生物・地学をバランスよく出題。実験・観察問題も頻出。 |
| 社会 | 40分 | 70点 | 資料読み取り・時事系の記述を含む総合問題が中心。 |
| 合計 | 合計190分 | 310点 | 4科トータルで6.5〜7割を安定して取れるかがカギ。 |
4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)
主要模試の2026年入試向け(または直近)の男子データをもとにした目安です。模試間で母集団や基準が異なるため、数値はあくまで「相対的位置づけ」を見るための参考としてください。
| 模試 | 偏差値(合格可能性80%目安) | 備考 |
|---|---|---|
| SAPIX(合格力判定SO) | 68前後 | 2026年入試向け男子2/1「開成」の予想偏差値。サピ生の最上位層がターゲット層。 |
| 日能研R4 | 72 | 2026年入試予想R4一覧における「合格可能性80%ライン」。筑駒・灘と並ぶ全国トップ帯。 |
| 四谷大塚 Aライン80 | 72前後 | 第5回合不合判定テストに基づくAライン80偏差値。男子校の中でも最高レベル。 |
| 首都圏模試センター | 78前後 | 首都圏模試の80%偏差値は母集団が広いため高めに出るが、「最上位帯」の目安となる。 |
いずれの模試でも、開成は首都圏男子中学の「頂点クラス」に位置付けられます。偏差値だけでなく、過去問の得点推移・志望順位・併願校とのバランスも合わせて判断することが重要です。
5.昨年度の入試結果と合格基準点
5-1.2025年度中学入試結果
公式サイトの入試結果・過去データ、および入試分析サイトの集計をもとに整理すると、2025年度入試(2025年2月1日実施)の概要は以下の通りです。
| 指標 | 2025年度 |
|---|---|
| 試験日 | 2025年2月1日 |
| 募集人員 | 300名 |
| 満点 | 310点(国85・算85・理70・社70) |
| 合格者平均点 | 219.5点 |
| 全受験者平均点 | 192.2点 |
| 合格最低点 | 202点(約65.2%) |
5-2.過去数年の合格最低点推移
過去10年ほどの合格最低点(4科合計)を平均すると、おおよそ210点前後(得点率約68〜70%)に収れんしています。
- 2025年度:202点/310点(約65%)
- 2024年度:216点/310点(約70%)
- 2023年度:237点/310点(約76%)
- 2022年度:199点/310点(約64%)
年度により難易度のブレはありますが、「過去問で7割安定」なら合格可能性はかなり高いと考えてよいでしょう。逆に、6割前後で止まっている場合は、苦手科目の底上げとケアレスミス削減が必須です。
6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)
開成の最大の特徴は、長年にわたり東大合格者数全国1位クラスを維持している点です。2025年入試結果・大学合格実績の集計(現役+浪人・延べ人数)を整理すると、おおよそ次のようなイメージになります。
| 区分 | 合格者数(目安・延べ) |
|---|---|
| 東京大学 | 150名前後(文理合計) |
| 京都大学ほか旧帝大・一橋・東工大等 | 60名前後 |
| 国公立大学 合計 | 300名超 |
| 医学部医学科(国公立+私立) | 150〜200名規模 |
| 早稲田大学 | 250名前後 |
| 慶應義塾大学 | 180〜190名規模 |
| 上智大学 | 50名前後 |
| GMARCH | 70名前後 |
1学年の卒業生は中高一貫・高校募集を合わせて約400名規模であることを踏まえると、「東大150名前後+その他国公立・医・早慶」という実績は、国内でも突出した水準と言えます。進学先は理系志向がやや多いものの、文系難関学部への合格も十分に確保されています。
7.学費
学費については、公式サイトの「学費」ページの2025年度実績を基準に、中1相当の年間目安を整理しています(2026年度入学生向け金額は変更の可能性があります)。
7-1.入学時納付金(中学)
| 入学金 | 320,000円 |
|---|---|
| 施設拡充資金 | 120,000円 |
| 合計(入学時一時金) | 440,000円 |
7-2.年間の校納金(中1・年間目安)
| 授業料 | 月額 44,000円 ×12か月 = 528,000円 |
|---|---|
| 施設維持費 | 月額 8,000円 ×12か月 = 96,000円 |
| 実験実習料 | 月額 8,000円 ×12か月 = 96,000円 |
| 父母と先生の会 会費 | 月額 2,800円 ×12か月 = 33,600円 |
| 生徒会会費 | 月額 550円 ×12か月 = 6,600円 |
| 諸経費・学年費等 | 約150,000円(教材費・行事費等を含む目安) |
| 年間合計(授業料等) | 約910,000円 |
入学時の一時金(約44万円)を含めると、中1初年度の校納金は約135万円+制服・通学定期・任意の寄付金などを見込んでおくと現実的です。首都圏男子最難関校としては、学費水準は「高すぎず、標準〜やや高め」といった位置づけです。
8.校風・学びの特色
8-1.「知性・自由・質実剛健」と「進取の気性」
- 開成の掲げる柱は「知性・自由・質実剛健」。外見よりも内面の充実を重んじ、「進取の気性」を備えたリーダーの育成を目標としています。
- 制服はなく、校則も必要最低限。とはいえ放任ではなく、「自由=自律」として、生徒自身が責任を持って行動することが求められます。
8-2.授業重視・習熟度別なしのカリキュラム
- 中学段階では習熟度別クラスは原則なく、「同じクラスで高いレベルの授業を受ける」スタイル。日々の授業と宿題を大切にしながら、基礎学力の土台を厚くする方針です。
- 高校からの入学者は高1の1年間別クラスで進度調整を行い、高2から中入生と合流。中入・高入の区別なく競い合う環境が整えられています。
8-3.行事と自治活動
- 体育祭・文化祭など大規模行事は、生徒主体で企画・運営されるのが特徴。特に体育祭はOBも含めた一大イベントで、クラス・学年を超えた結束が生まれます。
- 生徒会組織や各種委員会も活発で、「自分たちで学校を作る」という意識が強い学校です。
9.部活動
部・同好会は運動部・文化部・同好会を合わせて多数。中3〜高2でも本格的に部活動を続ける生徒が多く、「勉強も部活も本気」で取り組む雰囲気があります。
9-1.運動部の例
- サッカー部(中高合わせて約160名)、硬式野球部、硬式テニス部、陸上部、山岳部、剣道部、弓道部 など
- 「文武両道」を掲げ、規律と人間的成長を重視する運営方針が示されています。
9-2.文化部・同好会の例
- 鉄道研究部(路線図制作で有名)、物理部、化学部、生物部、数学研究部、歴史研究部、囲碁将棋部、ブラスバンドなど
- 理系色の強い部から文化系まで幅広く、学問と趣味を両立させやすい環境です。
10.アクセス
| 所在地 | 〒116-0013 東京都荒川区西日暮里4-2-4 |
|---|---|
| 最寄り駅 | JR山手線・京浜東北線/東京メトロ千代田線/日暮里・舎人ライナー「西日暮里」駅 徒歩3〜5分程度 |
| 通学圏 | 都内はもちろん、千葉・埼玉・神奈川からも通学しやすいターミナル立地。山手線沿線・千代田線沿線からのアクセスが特に良好。 |
朝のラッシュ時も西日暮里はターミナル駅の一つであり、首都圏広域から優秀層が集まる環境です。通学時間は「ドアツードア60〜70分」程度を目安に検討しているご家庭が多い印象です。
11.併願の考え方
開成を第一志望とする場合、「1月前受校+2月本命+安全校」という基本線は他の難関校と変わりませんが、偏差値帯が極めて高いため「落ちた場合の進学先」をどこまで許容するかがポイントになります。
11-1.典型的な併願パターン(イメージ)
- ① 開成本命+男子難関セーフティ型
- 1月:栄東・開智・市川・渋幕などで複数の合格を確保
- 2/1:開成(本命)
- 2/2以降:桜蔭・麻布・武蔵・聖光・浅野・渋幕2回など、志望状況に応じた男子難関校を組み合わせ
- ② 筑駒・灘挑戦+開成押さえ型(超上位層)
- 首都圏外の受験や帰国生枠を活用し、灘・筑駒などに挑戦したうえで開成を実質的な「押さえ」とするケース。
- ただし日程面・体力面の負担が大きいため、現実的にはごく少数の層向けの戦略です。
- ③ 「開成に届かなかった場合」の第2志望を早めに決める型
- 開成不合格時にどの学校に進学するかを、秋〜冬の段階で子どもと合意しておくと、入試本番で迷いが減ります。
- 候補になりやすいのは、麻布・武蔵・海城・駒場東邦・本郷・城北・聖光・渋幕など。
いずれのパターンでも、1月校で最低1〜2校の合格を確保しておくことがメンタル面の安定につながります。特に開成レベル志望層は「全落ちリスク」を避ける設計が必須です。
12.対策の要点
開成入試は、いわゆる「奇抜な超難問」ではなく、標準〜やや難レベルの良問を確実に取り切れるかを問う構成です。合格最低点・平均点の推移からも、4科で7割前後を安定して取れるかどうかが合否の分かれ目になります。
12-1.国語
- 長文2題構成+記述中心。登場人物の心情把握や抽象度の高い説明文を、論理的に読み解く力が必要です。
- 記述は字数指定・条件指定が細かいため、「何を・どの順で書くか」をメモしてから書く習慣を付けておきましょう。
- 過去問は、本文の要約&設問別の根拠探しまで含めて復習すると、得点の安定につながります。
12-2.算数
- 場合の数・整数・図形・速さなど、頻出分野の基本〜標準問題を落とさないことが最重要。
- 難問は完全解答できなくても、途中式・考え方を書いて部分点を積み上げる戦略が有効です。
- 過去問は時間をやや短め(45〜50分)に設定して解き、見直し時間を含めた時間配分を鍛えましょう。
12-3.理科
- 物理・化学分野の計算問題に加え、観察・実験を踏まえた記述問題も頻出です。
- 教科書レベルの実験は、可能な範囲で自宅・塾で実際にやってみると理解が定着します。
- グラフ・表の読み取り問題は、単位・軸・条件を丁寧に確認する習慣をつけておきましょう。
12-4.社会
- 地理・歴史・公民の基礎知識に加え、資料読み取り・時事問題の比重が高めです。
- 統計資料・白地図・年表を使った問題演習を積み重ね、「なぜそうなっているのか」を説明できるレベルを目指しましょう。
- 記述では、「結論→理由→具体例」の順で書く型を身につけておくと安定します。
13.口コミの読み方
開成は知名度が非常に高く、インターエデュや「みんなの中学情報」をはじめ、多数の口コミ・体験談が存在します。
- 投稿時期に注意する(10年以上前の口コミは制度・校舎・大学入試環境が大きく異なる場合があります)。
- 書き手の立場(在校生・卒業生・保護者・塾講師など)によって見え方が違うことを前提に読む。
- 「自由」「進取の気性」「行事が熱い」「東大合格者数」など、複数の口コミで繰り返されるキーワードは学校の本質をよく表しています。
- 最終判断は必ず自分の目で学校を見て行う(説明会・文化祭・公開授業など)。
14.出典・根拠リンク
- 開成中学校・高等学校 公式サイト(学校案内・教育理念・沿革・アクセス)
- 2026年度 中学入試概要・募集要項(入試日程・配点・募集人員・出願方法)
- 中学入試結果(2025年度・過去年度の合格者平均・全体平均・満点)
- 大手模試各社の偏差値一覧(SAPIX合格力判定SO/日能研R4一覧/四谷大塚Aライン80/首都圏模試偏差値)
- 中学受験スタディ・教育情報サイト等による大学合格実績集計(東大・国公立・医学部・早慶上智・GMARCH等)
- インターエデュ「開成」関連スレッド・みんなの中学情報(口コミ参照)
15.関連記事(東京・男子最難関ゾーン)
開成中学校を検討するご家庭が、あわせて読んでおくと比較しやすい記事です。

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