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海城中学校〖2026年入試〗偏差値・入試日程・合格基準点・学費・進学実績まとめ

※本記事は、埼玉・首都圏で中学受験を検討している保護者向けの解説です。

目次

1.結論(要点)

  • 海城中学高等学校は、東京都新宿区大久保にある男子進学校です。「国家・社会に有為な人材の育成」を建学の精神とし、「リベラルでフェアな精神を持った新しい紳士」の育成を掲げる伝統校です。
  • 2026年入試は、一般入試を2回(2月1日・3日)実施。いずれも4科・400点満点(国語120・算数120・社会80・理科80)で、各回募集人員145名という構成です。
  • 主要模試の偏差値は、SAPIX 男子で①59/②61、日能研R4で①65/②67、四谷大塚Aライン80偏差値で①65/②67、首都圏模試80%偏差値は男子74〜75前後と、「男子難関〜最難関ゾーン」に位置します。
  • 2025年度入試では、一般①が出願569名・受験509名・合格171名(実質倍率約3.0倍)、一般②が出願1,385名・受験1,021名・合格351名(同約2.9倍)。合格最低点は①249点/400点(約62%)、②259点/400点(約65%)で、4科トータル6割強が目安です。
  • 大学合格実績は、2025年入試で東京大学49名・京都大学6名、国公立大161名、早稲田141名・慶應120名・上智20名、GMARCH161名、医学部医学科(国公立48・私立96)と、首都圏男子校の中でもトップクラスの水準です。
  • 校風は「リベラルだがフェアネス重視」。自由でありつつも、対話と協働・課題解決型学習を通じて「新しい人間力」と「新しい学力」をバランス良く鍛えるスタイルで、グローバル教育・探究学習にも強みがあります。
  • 埼玉在住のご家庭では、「1月は栄東・開智など埼玉トップ校で腕試し+安全校確保」「2月前半で海城・聖光・早稲田など首都圏男子難関校にチャレンジ」という併願設計が王道です。

2.基本データ

学校名海城中学高等学校(Kaijo Junior & Senior High School)
区分私立・男子校・中高一貫(高校募集停止・完全一貫制)
所在地〒169-0072 東京都新宿区大久保3-6-1
アクセスJR山手線「新大久保」駅 徒歩約5分/JR中央・総武線「大久保」駅 徒歩約10分
東京メトロ副都心線「西早稲田」駅 徒歩約8分/「高田馬場」「東新宿」各駅からも徒歩圏
創立1891年(明治24年)、海軍予備校として創立。のちに海城学校・海城中学校を経て現校名に。
建学の精神「国家・社会に有為な人材の育成」。
リベラルでフェアな精神を持つ「新しい紳士」の育成を目標とし、「新しい人間力」と「新しい学力」をバランスよく養成。
教育のキーワード新しい紳士/リベラル&フェアネス/新しい人間力・新しい学力/グローバル教育/探究・対話・協働
公式サイトhttps://www.kaijo.ed.jp/

3.2026年入試:名称・日程・配点

※以下は2026年度「生徒募集要項(中学)」に基づく整理です。出願前に必ず最新の公式資料をご確認ください。

3-1.入試全体像

募集区分一般入試①・一般入試②・帰国生入試(A方式/B方式)
募集人員一般①:145名/一般②:145名(計290名)
帰国生入試:30名(A・B方式合計)※参考:2025年度実績
試験日(予定)一般①:2026年2月1日(日)午前
一般②:2026年2月3日(火)午前
帰国生:1月下旬実施(詳細は募集要項参照)
試験科目4科(国語・算数・社会・理科) ※帰国生入試は独自科目構成
出願方法インターネット出願(miraicompass)
出願期間2026年1月10日(土)0:00 ~ 1月25日(日)24:00(予定)
受験料1回 30,000円(クレジット決済等)
合格発表一般①:2月2日(月)正午頃(Web)
一般②:2月4日(水)正午頃(Web)

3-2.試験科目・配点・時間(一般①・②共通)

科目試験時間配点コメント
国語50分120点長文2題+知識・記述。論理的読解力・記述力が重視される。
算数50分120点図形・整数・場合の数など思考力系の良問。スピードと正確さの両立が必要。
社会45分80点地理・歴史・公民を横断する総合問題。資料読み取り・記述が多い。
理科45分80点計算問題・実験考察・グラフ読み取りなどバランス良く出題。
合計190分(実質3時間10分)400点満点4科バランス型。6割強を安定して確保できるかが合否の目安。

4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

※いずれも「合格可能性80%ライン」の目安です。模試ごとに母集団・基準が異なるため、数値は「相対的な難易度」をつかむ参考程度に利用してください。

模試入試区分日程偏差値(80%目安)出典・補足
SAPIX(合格力判定SO)一般①2月1日59レセマム「2026中学受験・SAPIX男子偏差値(2025年4月)」より。
一般②2月3日61同上。
日能研 予想R4一般①2月1日65塾選ジャーナル編集部「2026 中学受験・日能研R4一覧(首都圏男子)」8月版・11月版まとめより。
一般②2月3日67同上。
四谷大塚 Aライン80一般①2月1日65ダイヤモンド教育ラボ「海城中学校に強い塾・予備校ランキング」内の四谷大塚データより。
一般②2月3日67同上。
首都圏模試センター男子(4科)主に一般①74〜75首都圏模試「中学入試予想偏差値表(合格率80%)」および上記ダイヤモンド記事より。

海城は、開成・麻布・駒場東邦・聖光・渋谷教育学園渋谷・早稲田などと並ぶ「男子難関ゾーン」の1校です。
模試上は、2月1日午前だと駒場東邦・早稲田と同水準、2月3日だと筑駒・筑附・小石川など最上位校と同日の勝負になります。

5.昨年度(2025年度)の入試結果と合格基準点

5-1.2025年度 入試結果(一般①・一般②・帰国生)

試験区分募集人員出願者受験者合格者実質倍率
一般①145名569名509名171名約2.98倍
一般②145名1,385名1,021名351名約2.91倍
帰国生(A・B方式計)30名175名172名55名約3.13倍

※数値はいずれも学校公式「2025年度中学入試結果」およびダイヤモンド教育ラボの記事からの整理です。

5-2.合格最低点と得点イメージ(一般①・②)

年度試験区分満点合格最低点得点率の目安
2025一般①400点249点約62%
2025一般②400点259点約65%

年度によって問題難度が変動しますが、直近データからは次のようなイメージが持てます。

  • 安全圏:過去問演習で4科合計7割前後(280点)を安定して超える状態。
  • 合格ライン:本番・過去問とも6割強(250〜260点)を堅実に確保できるかどうか。
  • ボーダー前後:230〜240点台で合否が割れるゾーン。1科の失敗が命取りになりやすい領域です。

6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)

※現役・浪人を含む「延べ合格者数」です。年度により変動がありますが、ここでは2025年入試(最新実績)の目安を示します。

区分合格者数(2025年・目安)コメント
東京大学49名理系比率が高め。東大理三も一定数合格。
京都大学6名首都圏男子校としては安定した水準。
国公立大学(計)約161名東大・京大・一橋・東京科学大・旧帝大・地方国立を含む総数。
早稲田大学141名政経・法・理工など看板学部への合格も多い。
慶應義塾大学120名医学部・理工・経済など難関学部を中心に合格者多数。
上智大学20名文系・国際系学部を中心に合格。
GMARCH(計)約161名明治・青山学院・立教・中央・法政など。東京理科大89名も含めると私大上位層への進学は非常に厚い。
国公立医学部医学科48名東大理三・千葉大・筑波大など。
私立医学部医学科96名慶應義塾・慈恵医大・順天堂・国際医療福祉ほか。
医学部医学科(計)144名国公立+私立合計。医学部志望層にも非常に強い学校です。

1学年あたりの卒業生数は中高一貫・高校募集停止後も約300〜350名規模です。その規模でこの合格者数を出している点からも、海城は「東大・国公立・医学部・早慶上智」すべてに強い総合進学校と評価できます。

7.学費(中学部)

※2025年度中学1年生の学費資料をもとにした金額です。2026年度以降は改定される可能性があります。

7-1.入学時に必要な費用(目安)

項目金額(中1)備考
入学金300,000円入学手続時に納入。
年間授業料・諸会費838,160円授業料・施設費・教育充実費・冷暖房費・PTA会費などを含む年間の学校納付金。
初年度学校納付金合計約1,138,000円入学金+中1年間の授業料・諸会費の合計。

7-2.その他の主な費用

預り金月額18,000円程度(年約216,000円)
ICT端末費用約230,000円前後(入学時に一括購入)
教材費・制服・指定品別途必要(初年度は10万円前後を見込むご家庭が多い)
任意寄付金1口100,000円×2口以上をお願いする形(あくまで任意)

トータルでは、初年度で150〜170万円程度を見込んでおくと現実的です(学校納付金+預り金+ICT端末+制服・教材などを含む)。

8.校風・学びの特色

  • 「新しい紳士」の育成
    創設者・古賀喜三郎の思想を受け継ぎ、「フェアネス(公正さ)」と「リベラル(自由)」を両立させた「新しい紳士」の育成を掲げています。単なる自由ではなく、他者への思いやりと民主主義の価値を重んじる人間像が明確です。
  • 新しい人間力 × 新しい学力
    対話・協働・課題設定・情報収集・分析・プレゼンテーションなど、21世紀型スキルを重視。「知識の暗記」にとどまらず、自ら考え・議論し・表現する学びがカリキュラム全体に組み込まれています。
  • グローバル教育
    中3のアメリカ研修(バーモント州・セントジョンズベリーアカデミーへのホームステイ&通学)や、英語でのプレゼン・ディスカッションなど、実践的なプログラムが充実しています。海外大学進学を視野に入れる生徒もいます。
  • 探究・STEAM型の取り組み
    理数系に強い伝統を背景に、課題研究・探究活動にも力を入れており、JAXAとの連携プログラムなどユニークな取り組みもあります。理系志向の男子には特に相性の良い環境です。
  • 落ち着いた進学校としての雰囲気
    制服はブレザー型で、校則は極端に厳しいわけではありませんが、「進学校らしい適度な緊張感」と「フラットでフェアな雰囲気」が両立している印象です。麻布や開成ほどの“超自由校”ではなく、バランス型を求めるご家庭に合います。

9.部活動

部活動は運動部・文化部ともに選択肢が多く、ほとんどの生徒が何らかの部に所属します。学業との両立を前提としつつ、一定レベル以上の活動を行う「文武両立型」です。

  • 運動部の例:サッカー部・硬式野球部・ラグビー部・バスケットボール部・テニス部・陸上競技部・水泳部・卓球部 など
  • 文化部の例:物理部・化学部・生物部・地学部・数学部・鉄道研究部・囲碁将棋部・コンピュータ部・吹奏楽部・オーケストラ部・合唱部 など

「理系・探究系の部活動」が非常に充実している点は、海城ならではの強みです。 ただし、部活動単体での全国常連校というよりは、あくまで学業が軸の進学校型と考えておくとイメージがズレません。

10.アクセス

所在地〒169-0072 東京都新宿区大久保3-6-1
最寄り駅JR山手線「新大久保」駅 徒歩約5分
JR中央・総武線「大久保」駅 徒歩約10分
東京メトロ副都心線「西早稲田」駅(3番出口)徒歩約8分
JR山手線/東京メトロ東西線「高田馬場」駅 徒歩12分前後
都営大江戸線/副都心線「東新宿」駅 徒歩12分前後
埼玉からの通学イメージ大宮・浦和方面からは「湘南新宿ライン・埼京線経由で高田馬場→徒歩」または「京浜東北線で田端乗換→山手線で新大久保」が一般的なルートです。
朝のラッシュ帯は混雑しますが、乗換1〜2回で収まるケースが多く、埼玉からの通学も十分現実的な立地です。

11.併願の考え方

海城を本命・準本命に据える場合の、典型的な併願イメージを整理します(男子・首都圏/埼玉在住を想定)。

11-1.最難関〜難関ラインで攻めるケース

〈例〉
1月:栄東(東大特待)・開智(T・特待)などで腕試し+上位校の押さえ
1/22:渋谷教育学園幕張(渋幕)1次にチャレンジ
2/1:開成 or 麻布 or 駒場東邦と併願、もしくは海城①を本命として勝負
2/2:聖光学院①/渋谷教育学園渋谷/広尾(医進)など
2/3:海城②・筑駒・筑附などを組み合わせ
2/4:聖光②・市川②などで最終リカバー

「開成・麻布・駒場東邦+海城」を組むパターンは、上位層の王道です。2月3日の海城②は、同日に筑駒・筑附・小石川一般が並ぶため、チャレンジと安全度のバランスを慎重に設計する必要があります。

11-2.海城を軸に“現実ライン”を固めるケース

〈例〉
1月:栄東A日程・開智・大宮開成などで合格を確保
2/1:海城①を第一志望として出願し、同日午後は受験せず体力温存
2/2:聖光① or 共学校難関(渋渋・広尾等)にチャレンジ、もしくはやや偏差値を落とした男子校で安全校を追加
2/3:海城②で“ダブルチャンス”を取りに行く
2/4:聖光②・市川②・本郷③などで最終調整

このパターンでは、「1月で1〜2校の確実な合格」「2月で海城+同レベルを狙う」という設計が基本です。過度にチャレンジ校を並べすぎないことがポイントになります。

11-3.埼玉トップ校との両狙い

埼玉在住で、栄東・開智など埼玉トップ校を第一志望に置きつつ、海城にもチャレンジするケースもあります。

  • 1月前半:栄東(東大選抜/難関大)、開智(T・創発・特待)で合格確保。
  • 2月1〜3日:海城①②・聖光・早稲田など都内・神奈川の男子難関校にチャレンジ。
  • 結果として、埼玉トップ校と海城・聖光等のどちらに進学するかを、2月上旬の結果を踏まえて判断するイメージです。

12.対策の要点

12-1.全体方針

  • 4科バランス型で、「大きな穴科目を作らない」ことが最重要です。
  • 難問奇問よりも、標準〜やや難レベルの良問を確実に取り切る力が問われます。
  • 記述力(国語・社会・理科)と、途中式・論述を含めた論理的な答案作り(算数)が合否を分けます。

12-2.科目別のポイント

  • 国語:文章量が多く、論説文・随筆文ともに抽象度の高いテーマが出題されがちです。
    ・毎日1題レベルで長文読解に触れ、設問根拠を本文から明確に取る訓練を行う。
    ・記述は、「要素を箇条書き→接続語でつなぐ→字数内に収める」型を徹底して磨く。
    ・漢字・語句・慣用句などの知識問題で取りこぼさないことも重要です。
  • 算数:中盤以降に、複数単元が絡む総合問題・思考力問題が配置される傾向があります。
    ・標準レベルの問題で確実に得点する「ミスゼロゾーン」を作る。
    ・図形(比・相似・面積・体積)、場合の数、数の性質(約数・倍数・書き換え)を最重点単元として演習。
    ・過去問は「解ける/解けない」だけでなく、途中式・論理展開が採点者に伝わるかを意識して書く練習を。
  • 社会:統計資料・地図・グラフ・年表を読み取らせる問題が多く、「暗記+読み取り+記述」の総合力が問われます。
    ・地理・歴史・公民を分断して覚えるのではなく、「テーマ別」「資料別」に横断して整理する。
    ・時事問題(国際情勢・環境問題・日本の財政・選挙制度など)は、新聞・ニュースを親子で定期的にチェック。
  • 理科:計算問題と記述問題の両方がしっかり出ます。単純暗記だけでは得点が伸びません。
    ・物理(速さ・てこ・電流)、化学(溶解度・気体)、生物(植物・人体)、地学(天体・気象)をバランスよく演習。
    ・実験問題では「条件・結果・考察」の三点セットで整理する書き方を身につけることがポイントです。

12-3.過去問の使い方

  • 本格的な過去問演習は、小6の秋(9〜10月)からで十分です。それまでは基礎〜標準問題の完成を優先。
  • 過去5〜7年分を最低2周は解き、「年度平均・自分の得点・合格最低点」を一覧化して進捗を可視化すると戦略が立てやすくなります。
  • 不得意年度(極端に点数が低い年)は「何が合っていないのか」を答案レベルで分析し、塾の先生に見てもらうことをおすすめします。

13.口コミの読み方

インターエデュや「みんなの中学情報」などには、海城に関する口コミ・体験談が多数あります。読む際の注意点は次の通りです。

  • 投稿時期に注意する(10年以上前の口コミは、カリキュラムや大学入試制度が大きく変わっている可能性があります)。
  • 書き手の立場(在校生・卒業生・保護者・塾講師など)によって見え方が違うことを前提に読む。
  • 複数の口コミで共通して語られるキーワード(「新しい紳士」「理系に強い」「グローバル」「課題・探究が多い」など)は、学校の本質を反映していることが多い。
  • 最終判断は、必ず学校説明会・授業見学・文化祭などで実際の雰囲気を確認したうえで行う。

14.出典・根拠リンク

  • 海城中学高等学校 公式サイト・学校案内・教育理念・沿革
  • 海城中学高等学校「2026年度生徒募集要項(中学)」・「2025年度中学入試結果」
  • 中学受験スタディ/Study1「海城中学校 大学合格実績2025」
  • レセマム「〖2026中学受験〗SAPIX男子偏差値(2025年4月)」
  • 日能研「2026年入試 予想R4一覧(首都圏男子)」および、それを引用した塾選ジャーナル編集部記事
  • 四谷大塚「海城中学校 データ」・首都圏模試センター「中学入試予想偏差値一覧」
  • ダイヤモンド教育ラボ「海城中学校に強い塾・予備校ランキング」
  • インターエデュ「海城」関連スレッド・みんなの中学情報(口コミ参照)

15.関連記事(東京・男子難関ゾーン・埼玉トップ校)

海城と同じく、男子最難関〜難関ゾーン/埼玉トップ帯として比較検討しやすい記事です。

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