MENU

三田国際科学学園中学校〖2026年入試〗徹底解説

目次

1.結論(要点)

ポイント1東京・世田谷の共学校で、「インターナショナル」「サイエンス」「探究」を全面に打ち出した中高一貫校です。偏差値帯としては広尾学園・広尾小石川と並ぶ難関共学校ゾーンに位置づけられ、共学志向・グローバル志向のご家庭から高い人気を集めています。

ポイント2入試区分は「インターナショナルサイエンス(ISC)」「インターナショナル(IC)」「メディカルサイエンステクノロジー(MST)」と多様で、4科型と英語選抜型を柔軟に選択可能です。算数・国語・理社に加え、英語力と思考力を問う問題で差がつく入試設計になっています。

ポイント3大学合格実績は、東大・京大2名、一橋・東京科学・旧帝大5名、国公立大19名、早慶上智99名、GMARCH187名、医学部医学科6名と、難関大・医学部への出口実績も安定してきています。GMARCH合格者数は全国でもトップクラスのボリュームです。

ポイント4学費は初年度約160万円(諸経費込み)と私立共学校としてはやや高めですが、ネイティブ教員38名(2025年度時点)やサイエンスラボなど設備投資も含めたコストと考えると、総合的な費用対効果は高い学校です。

ポイント5校風は「発想の自由人」を掲げるリベラルな雰囲気で、帰国生・理系志向・起業志向など多様なバックグラウンドの生徒が在籍します。偏差値・実績だけでなく、「自由度の高さ」「自己決定・自己表現」を重視するご家庭と相性が良い学校です。

2.基本データ

学校名三田国際科学学園中学校・高等学校(旧・三田国際学園中学校)
所在地東京都世田谷区用賀2-16-1
設置形態私立・共学・中高一貫(高校募集あり/外部生混在)
創立1902年 戸板裁縫学校として創立。2015年に三田国際学園として共学化、2025年に現校名へ改称。
コース区分ISC(インターナショナルサイエンス)/IC(インターナショナル)/MSTC(メディカルサイエンステクノロジー・中2移行クラス)
教育の特徴全授業で「問い→仮説→調査・実験→分析→表現」のサイクルを重視する探究型カリキュラム。中1でサイエンスリテラシー、中2・3でゼミ形式探究、中学全員が中3でターム留学を経験。
英語教育常勤ネイティブ教員多数配置(2025年度38名)。ICは主要教科の多くをAll Englishで実施し、海外大学進学も視野に入れたプログラム。
生徒数中高合計 約1,400名(中学各学年6〜7クラス程度)
最寄り駅東急田園都市線「用賀」駅 徒歩約5分

※データはいずれも2025年度公表値・学校案内・主要受験情報誌等をもとに整理しています。

3.2026年入試:名称・日程・配点

2026年度入試(2026年4月入学)の2月一般入試は、例年同様「第1回〜第4回」と「MST入試」の構成です。志望クラス(ISC/IC/MST)と受験科目(4科/英語選抜)を組み合わせて出願します。

区分入試名称試験日募集クラス募集定員試験科目・配点面接受験料
第1回第1回ISC/IC2月1日(午前)ISC/ICISC 25名/IC 20名4科型:国語100点・算数100点・理科50点・社会50点(計300点)
英語選抜:ISC=英語100+国50+算50、IC=英語100(+面接)
英語選抜受験者のみ実施25,000円(同時出願で最大3回分まで同額)
第2回第2回ISC/IC2月1日(午後)ISC/ICISC 15名/IC 10名4科型のみ(国100・算100・理50・社50=300点)なし同上
第3回第3回ISC/IC2月2日(午後)ISC/ICISC 15名/IC 10名ISC:4科型または英語・国語・算数・面接
IC:4科型または英語・面接
英語選抜受験者のみ実施同上
MST入試MSTC選抜2月3日(午後)MSTC30名算数100点(60分)・理科100点(60分)=計200点なし同上
第4回第4回ISC2月4日(午後)ISC5名4科型(国100・算100・理50・社50=300点)なし同上

※出願はインターネット出願のみ。出願時に「クラス(ISC/IC/MST)」および「選考方法(4科・英語型など)」を選択します。詳細は必ず最新の募集要項で確認してください。

4.偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

三田国際科学学園中の偏差値は、2月共学校の中でも上位帯です。ここでは「四谷大塚Aライン」「首都圏模試センター合格率80%偏差値」をベースに、SAPIX・日能研R4の代表値を併記した目安表をまとめます(いずれも2026年入試向け最新公表値ベース)。

区分入試日程四谷大塚
Aライン80
首都圏模試
80%
SAPIX
80%(目安)
日能研
R4(目安)
第1回 ISC(4科)2/1 午前576850台半ば相当50台後半相当
第1回 IC(4科)2/1 午前546750台半ば〜後半
第2回 ISC(4科)2/1 午後617054(男女共通)60前後
第2回 IC(4科)2/1 午後58695250台後半
第3回 ISC(4科)2/2 午後62705359前後
第3回 IC(4科)2/2 午後59695250台後半
MST入試(算理)2/3 午後60725460前後
第4回 ISC(4科)2/4 午後60695556前後

※四谷大塚・首都圏模試の値は男女とも同一で公表されているため、「男女共通値」として記載しています。SAPIX・日能研R4については、公開データから読み取れる代表値をもとにした「目安」であり、細かな科目選択・年度によって変動があります。必ず最新版の一覧で確認してください。

5.昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)

2025年度 募集・志願状況(2月入試・4科型中心)

区分クラス・方式募集出願者受験者合格者実質倍率
第1回ISC 4科2516414751約2.9倍
第1回IC 4科20585414約3.9倍
第2回ISC 4科1528523259約3.9倍
第2回IC 4科10736320約3.2倍
第3回ISC 4科1548027159約4.6倍
第3回IC 4科1092529約5.8倍
MSTMSTC(算理)3037222758約3.9倍
第4回ISC 4科562333239約8.5倍

※上記のほかに、帰国生入試(2回)および英語選抜方式(第1回ISC/IC・第3回ISC/IC)が実施されています。

2025年度 合格最低点

4科型入試(300点満点)およびMST入試(200点満点)の合格最低点は次の通りです。

区分方式満点合格最低点
第1回ISC 4科300点183点
第1回IC 4科300点185点
第2回ISC 4科300点194点
第2回IC 4科300点186点
第3回ISC 4科300点184点
第3回IC 4科300点180点
MST算理200点129点
第4回ISC 4科300点192点

第2回ISC・第4回ISCなど、午後入試の一部で合格最低点が高く、上位層の競争が激しい回となっています。

6.進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)

2025年度大学入試(2025年3月卒業生)の合格実績を、主要カテゴリーごとに整理すると次の通りです。

区分合格者数(延べ)コメント
東大・京大2名東京大学・京都大学への合格者を毎年輩出。理系・文系双方の進学ルートあり。
一橋・東京科学・旧5帝大5名一橋大学・東京科学大学(旧東工大+医科歯科)・旧帝大クラスへの進学も一定数確保。
国公立大学(計)19名上記最難関を含めた国公立合計。電通大・都立大・横国・千葉大なども含む。
早稲田・慶應・上智99名早稲田・慶應・上智にバランスよく合格者を輩出。共学校としてはかなり厚い層。
GMARCH187名学習院4・明治50・青山学院43・立教44・中央20・法政26(計187)。公式公表ではこれに立命館などを加えた「GMARCH他」計191名。
医学部医学科6名国公立1名・私立5名(福島県立医科/東京医科/聖マリアンナ医科/杏林など)。理系・医系の進学環境も整備されています。

※いずれも「合格者数(延べ)」です。複数大学に合格した場合は重複カウントとなります。

7.学費

2025年度納付金(諸経費込み)の中学1年生向け初年度目安は次の通りです。

項目金額(目安)備考
入学金350,000円入学手続き時に一括納入
授業料(年額)552,000円前期・後期の2期分納
施設費150,000円校舎・設備等の維持費
その他諸経費554,900円教材費・行事費・諸会費など
初年度納付金 合計約1,606,900円2025年度実績ベース

※上記のほかに、制服・指定品購入費、通学定期代、塾・習い事などの費用が発生します。2026年度以降は改定の可能性があるため、必ず学校公式の最新情報をご確認ください。

8.校風・学びの特色

「発想の自由人」を育てる探究型カリキュラム

三田国際科学学園は、「THINK&ACT」「INTERNATIONAL」「SCIENCE」をキーワードに、すべての授業を「問い→仮説→調査・実験→分析・考察→表現」というサイクルで構成しています。知識の暗記ではなく、社会課題に対して自分なりの仮説を立て、検証し、アウトプットする力を重視する設計です。

IC・ISC・MSTCの違い

  • IC(インターナショナルクラス):主要教科の多くを英語で学ぶコース。帰国生を中心とするAcademyと、段階的にAll Englishに移行するImmersionからなり、海外大学進学も視野に入れたプログラムです。
  • ISC(インターナショナルサイエンスクラス):理数・サイエンス教育に重点を置きつつ、英語は習熟度別に強化。中2からは選抜された生徒がMSTCに移行するルートがあります。
  • MSTC(メディカルサイエンステクノロジークラス):中2移行の理系特化クラスで、大学レベルの研究に接続することを前提にしたプログラム。医薬系・理工系を志望する生徒が中心です。

自由度の高い校風と多様な進路

公式サイト・取材記事・口コミを総合すると、「多様性」「自由度」「生徒主体」がキーワードとしてよく挙がります。スタンフォード大学や海外大学、専門学校・クリエイティブ系など、いわゆる偏差値偏重ではない進路選択も尊重されており、「自分なりのキャリア」を模索したいタイプには非常にフィットする環境です。

9.部活動

中学生のほぼ全員がいずれかの部活動に参加しており、文化部・体育部ともに選択肢が豊富です。特に吹奏楽部・ポップダンス部などが活発とされています。

体育系文化系・その他
バレーボール/硬式テニス/バスケットボール/新体操/バドミントン/卓球/ポップダンス/陸上競技/サッカー/ラグビー/軟式野球 など美術/English部/吹奏楽/演劇/コンピュータ/鉄道研究/囲碁・将棋・チェス/サイエンス/コーラス など

※部活動は年度によって新設・休部・名称変更が行われることがあります。最新の情報は学校公式サイト・学校案内で必ず確認してください。

10.アクセス

最寄り駅東急田園都市線「用賀」駅 徒歩約5分
主な通学エリア田園都市線沿線(渋谷〜中央林間)、小田急線・東横線沿線からバス経由での通学も多い。
立地ビジネス街と住宅街が混在するエリアに位置し、日中の人通りも多く比較的安心して通学できる環境。

用賀駅周辺には飲食店・コンビニ等も多く、放課後の自習・塾への移動もしやすい立地です。

11.併願の考え方

偏差値帯と入試日程から見ると、三田国際科学学園は「広尾学園系統の難関共学校」と同じゾーンに位置しており、以下のような併願パターンが典型的です。

① 広尾学園・広尾小石川との組み合わせ

  • 2/1 午前:広尾学園・広尾小石川・渋渋などを本命級として受験
  • 2/1 午後:三田国際 第2回 ISC/IC または広尾小石川などで併願
  • 2/2 午後:三田国際 第3回 ISC/IC(2日目の押さえ・上積み)
  • 2/3 午後:三田国際 MST入試(理系・医系志望層向け)
  • 2/4 午後:三田国際 第4回 ISC(最終日のチャレンジ)

② 共学校難関ラインとの水平併願

  • 1月校:栄東(東大I/東大特待)、開智(創発)などで腕試し
  • 2/1〜4:三田国際/広尾学園/広尾小石川/都市大等々力/芝国際などを日程ごとに分散受験
  • 2/5以降:本郷・世田谷学園・明大明治など男子校・附属系と組み合わせるケースもあり

③ 首都圏共学校中堅〜上位との安全校・押さえの設計

  • 「三田国際を第一志望」「広尾・広尾小石川をチャレンジ」「やや偏差値帯を下げた共学校を安全校」として3段構えで設計するパターン。
  • 午後入試が多いため、午前は別の共学校・附属校、午後に三田国際を組み込むと合格機会を最大化しやすい構成になります。

併願戦略上は、「どの回を本命視するか」と「午後入試の体力・集中力」を前提に、塾の模試判定と過去問得点をもとに組み立てていくことが重要です。

12.対策の要点

算数:標準〜やや難の思考系問題が軸

  • 大問構成は「計算+小問集合+単元別問題」が基本で、図形・数の性質・速さ・場合の数など、思考力系分野が多く出題されます。
  • 途中式や考え方を書かせる設問も多いため、「解法を言語化して書く」練習が必須です。
  • 四谷や塾のテキストで標準〜応用レベルを固めつつ、過去問演習では「どこまで丁寧に書けば部分点が期待できるか」を意識して復習することが重要です。

国語:長文読解+記述量の多さに慣れる

  • 説明文・物語文いずれも設問数が多く、記述・抜き出し・選択問題がバランスよく配置されます。
  • 要約・意見記述が多いため、50〜80字程度の短めの要約練習を日常的に行い、「何を削り何を残すか」の感覚をつかむことが有効です。

理科・社会:資料読解・記述中心の「考える問題」

  • 理科は生物・地学分野の長文資料+記述が多く、実験条件を正確に読み取る力が問われます。
  • 社会は地理・歴史・公民・時事がバランスよく出題され、図表・グラフ・写真など複数資料を組み合わせて考察させる形式が頻出です。
  • 暗記に偏らず、「資料から読み取れることを言葉で説明する」トレーニングを家庭学習に取り入れると三田型の出題と相性が良くなります。

英語・MST入試対策

  • 英語選抜では、長文読解・リスニング・文法・英作文などを通じて総合的な英語運用能力が問われます。英検準2級〜2級レベルの語彙・文法を目安に、過去問+類題で形式に慣れることが重要です。
  • MST入試は算数・理科いずれも思考力重視です。標準問題を確実に取りつつ、理科では実験考察・計算問題を重点的に鍛える必要があります。

過去問演習の目安

  • ISC・IC・MSTすべてを受験する場合は、直近3〜5年分を回すだけでもかなりのボリュームになります。志望回を絞り、優先度の高い回から着手するのが現実的です。
  • 合格最低点+20点程度を安定して超えられるようになれば、合格可能性80%ライン(R4)ゾーンに入ったと考えやすくなります。

13.口コミの読み方

インターエデュ・みんなの中学情報・各種ブログ等で三田国際科学学園の口コミは多数掲載されています。情報量が多い一方で、投稿時期や前身校(戸板・三田国際学園)時代の印象と混在している点には注意が必要です。

ポジティブな評価として多い内容

  • 「生徒が自分の興味を深められる環境」「やりたいことを応援してくれる先生が多い」といった、自由度とサポートのバランスを評価する声。
  • ネイティブ教員による日常的な英語環境や、ターム留学・海外研修など、グローバル志向のご家庭からの満足度の高さ。
  • 理系・サイエンス志向の生徒が多く、同じ志向性の友人と切磋琢磨できる点。

読み解く際に注意したいポイント

  • 「進学校ではない」という表現が使われることがありますが、これは学校側が「進学実績のみを評価軸としない」というメッセージを発していることに由来します。一方で、実際の大学実績は難関大・医学部を含めて十分な水準にあります。
  • 過去の施設・カリキュラムに基づく口コミも残っているため、2023年以降の投稿・記事を優先的に参照するのが無難です。
  • 「自由さ」と「自己管理の必要性」は表裏一体です。主体的に時間管理ができるタイプには向きますが、管理型環境を好むお子さまには別の選択肢も検討すべきです。

14.出典・根拠リンク

同偏差値帯の学校記事

中学受験カテゴリ(当サイト内)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次