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東京都市大学等々力中学校〖2026年入試〗中堅共学の実力を徹底解説

目次

結論(要点)

ポイント1東京都世田谷区にある中堅〜中堅上位クラスの私立共学校。四谷大塚・首都圏模試では偏差値50台後半〜60台前半に位置づけられ、「難関志向だが最難関までは行かない層」のメインターゲット校です。

ポイント2一般入試は「特選」「S特選」の4教科入試が主力。2025年度の実質倍率は第1回特選2.41倍、第1回S特選3.02倍、第2回S特選4.97倍と、過度な高倍率ではないものの人気校らしい水準を維持しています。

ポイント3大学進学実績は、国公立大合計69名、早慶上理ICU151名、GMARCH399名(いずれも2025年度・延べ人数)。中堅共学としては出口実績が非常に厚く、「入学偏差値以上の出口」を期待しやすい学校です。

ポイント4教育理念「noblesse oblige」のもと、TQノートによる学習管理、PBL(プロジェクト型学習)、英語・理数強化、1年留学制度など、共学校らしいアクティブな学びが特徴です。落ち着いた校風と部活動の活発さが両立しており、共学志向で「勉強も行事も部活もバランスよく」のご家庭に相性が良いと言えます。

基本データ

学校名東京都市大学 等々力中学校・高等学校
所在地東京都世田谷区等々力8-10-1
設置形態私立・男女共学・中高一貫(高校からの募集もあり)
設立1947年(前身校)、2009年に現校名へ改称し共学化
教育理念「noblesse oblige(高貴なる者の義務)」の精神を軸に、「高潔」「英知」「共生」を備えたグローバルリーダーの育成を掲げる。
コースS特選コース(最難関国公立志向)/特選コース(難関国公立・難関私大志向)
1学年規模男女計約200名(男子・女子ともに100名前後、5〜6クラス)
最寄り駅東急大井町線「等々力」駅 徒歩約10分
主な特徴TQノートによる学習管理/自習室+学習コーチ/PBL・探究学習/英語・理系強化/ICT教育の積極活用

2026年入試:名称・日程・配点

2026年度入試(令和8年度・2026年4月入学)は、例年通り「第1回特選」「第1回S特選」「第2回S特選」「第2回特選(S特チャレンジ)」に加え、「英語1教科」「アクティブラーニング型」「帰国生入試」を実施する予定です。基本枠は2025年度募集要項・2026年度入試要項の公表内容を整理したものです。

一般入試(4教科型・2教科型)

試験名称日程コース教科・配点試験時間(2026年度)募集の目安
第1回特選入試2月1日 午前特選コース4教科型国100・算100・理50・社50(計300点)国45分/算45分/理社計50分全体200名のうち主に特選枠(目安100名)
第1回S特選入試2月1日 午後S特選コース(スライドで特選合格あり)4教科型 or 2教科型4科:国100・算100・理50・社50/2科:国100・算100同上(4科)、2科は国・算各45分S特選コース中心(目安80名)。特選へのスライド合格制度あり。
第2回S特選入試2月2日 午後S特選コース(スライドあり)4教科型 or 2教科型同上同上午後入試として人気が高く、2025年度は実質倍率4.97倍。
第2回特選入試(S特チャレンジ)2月3日 午後特選コース(高得点でS特選合格の可能性)4教科型 or 2教科型同上同上特選志望の受験生が最後に狙う回。S特チャレンジ制度あり。

※2026年度入試から、国語・算数の試験時間が各50分→45分、理科・社会の合計時間が60分→50分に短縮。S特選入試・第2回特選入試は4科型と2科型の選択制になっています。

その他の入試(1教科・アクティブラーニング・帰国生)

入試区分日程対象コース試験内容備考
英語1教科入試2月4日 午前S特選/特選英語 60分・100点英語力で勝負したい受験生向け。合格最低点は非公表。
アクティブラーニング型入試2月4日 午前S特選/特選検査Ⅰ(個人ワーク30分)+検査Ⅱ(グループワーク100分)思考力・協働性・プレゼン力を重視。2025年度の実質倍率は8.38倍。
帰国生入試12月上旬S特選/特選国語または英語(各50分100点)・算数(50分100点)・作文・面接募集人員20名。2025年度実質倍率は男子1.23倍・女子1.30倍前後。

偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

東京都市大学等々力中は、模試ごとに評価が大きく異なることで有名です。特に第1回S特選入試(2/1午後)は、サピックス偏差値では45前後である一方、日能研R4は54、四谷大塚Aラインと首都圏模試では難関校並みの数値が付いています。

4教科入試を中心とした偏差値比較(2025→2026目安)

回・型日程SAPIX
80%(目安)
日能研
R4(80%)
四谷大塚
Aライン80%
首都圏模試
80%
第1回 特選 4科2/1 午前―(学校全体としてS45前後)54(学校代表値)54(男女とも)64(男女とも)
第1回 S特選 4科2/1 午後45前後(S特1回の目安)54(代表値)59(男女とも)68(男女とも)
第2回 S特選 4科2/2 午後45前後(午後入試のため変動大)54(代表値)58(男女とも)69(男女とも)
第2回 特選+S特 4科2/3 午後45前後(目安)54(代表値)56(男女とも)67(男女とも)

・四谷大塚Aライン・首都圏模試の数値は、友の会「東京都市大学等々力中学校の偏差値」2025年7月1日公開データに基づくものです。
・日能研R4=54は、学校全体としての代表値(日能研公式R4一覧・各種解説サイト)で、回別の差は小さいとみて良い水準です。
・SAPIX偏差値は、2024〜2025年公開資料・比較記事における「都市大等々力(S特1回)」の値をもとにした目安です。午後入試は年により変動が大きいため、直近の偏差値表で必ず再確認してください。

昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)

2025年度 募集・志願状況(一般入試)

入試区分試験日募集人員出願者数受験者数合格者数実質倍率
第1回特選2/1 午前180281176732.41倍
第1回S特選2/1 午後(S特選枠含む)5524111363.02倍
第2回S特選2/2 午後678338684.97倍
第2回特選2/3 午後7963811452.63倍
アクティブラーニング型2/4 午前806788.38倍
英語1教科2/4 午前763575.00倍
帰国生入試12/1020180162132約1.23倍
合計(一般+英語+AL)2002,6431,5705692.76倍

出典:中学受験ブログサイト「中学受験のアレコレ」東京都市大学等々力中学校特集、およびサピックス「進学情報誌 さぴあ」学校データ。

2025年度 合格最低点(4教科入試)

4教科300点満点(国語・算数各100点、理科・社会各50点)の一般入試における合格最低点は、以下の通りです。

回・区分コース合格最低点満点
第1回S特選S特選173点300点
第1回S特選特選(スライド)155点300点
第2回S特選S特選207点300点
第2回S特選特選(スライド)189点300点
第1回特選特選180点300点
第2回特選(S特チャレンジ)S特選194点300点
第2回特選(S特チャレンジ)特選184点300点

・英語1教科入試・アクティブラーニング型入試・帰国生入試は合格最低点非公表。
・S特選2回の最低点207点は、4回の中で最も高く、「算数でしっかり差をつけるタイプの午後入試」として位置づけられています。

進学実績(東大・国公立・早慶上智・GMARCH・医系)

2025年度大学入試の合格実績(延べ人数)は、学校公式サイトの最新データをもとに整理すると次の通りです。

区分合格者数(延べ・2025年度)コメント
東大1名東京大学合格者は毎年0〜2名で推移。最難関国立大へのルートを維持。
主要国公立大学69名東京科学大・一橋大・横浜国大・千葉大・お茶の水女子大など、首都圏の難関国公立への合格が目立ちます。
早慶上理ICU151名
(早稲田33/慶應19/上智33/理科大65/ICU1)
「早慶上理ICU」で150名超。共学校としては首都圏トップクラスのボリューム。
GMARCH399名
(明治115/青学69/立教49/中央66/法政84/学習院16)
GMARCHだけで400名近い合格。中堅共学としては極めて厚い出口ラインです。
医歯薬獣看など小計46名
※うち私大医学部医学科は帝京・昭和・北里・杏林・順天堂・聖マリアンナなど複数校に合格。
国公立医学部(浜松医科大・宮崎大・福島県立医科大など)にも合格者を出し、医療系全体で毎年40〜60名規模の実績。

・合格者数はいずれも「延べ人数」です(同一生徒の複数合格を含む)。
・卒業生234名に対して、国公立+早慶上理ICU+GMARCHだけで600名超の合格があり、「安全〜準難関」までの選択肢が非常に豊富です。

学費

2025年度参考の初年度納入金(中1)は、サピックス「学校データ」および学校公表資料によると以下の通りです。

項目金額(目安)備考
入学金250,000円入学手続き時に納入
授業料(年額)516,000円月額43,000円相当
施設費(年額)250,000円校舎・設備維持等
その他(諸会費・教材・行事等)436,600円前後サピア掲載数値。制服・ICT関連費等は別途。
初年度納入金 合計約1,452,600円2025年度参考。物価・制度変更により増減の可能性あり。

※別途、通学定期代・塾費用・講習費・留学費用などがかかります。首都圏私立共学校の中では「標準〜やや高め」程度の水準と考えてよいでしょう。

校風・学びの特色

「noblesse oblige」を掲げる共学校

等々力は、創立者・五島慶太氏の「社会に貢献できる人材を育てる」という理念を背景に、「noblesse oblige(高貴なる者の義務)」を教育の柱としています。自分の力を社会のために使うという価値観を、授業・行事・ボランティア・海外研修等を通じて学んでいく設計です。

TQノート+自習室+学習コーチの学習管理

生徒は毎日「TQノート」に学習計画と実績を書き、担任のチェックとコメントを受けます。放課後は中1〜高2まで夜8時(高3は9時)まで自習室が開放され、学習コーチ(チューター)が常駐。塾依存度を抑えつつ、学校内で完結する学習サイクルを構築している点が特徴です。

PBL・探究型授業と英語教育

  • 中学では理科の授業の大部分が実験で構成され、「本物に触れる理科教育」を徹底。
  • 英語は音読と単語テストを重視し、朝のホームルームでの単語学習や週1回の小テストで基礎力を固めます。
  • 高1では希望者を対象に1年間の海外留学制度(単位認定あり)を用意し、留年せずに長期留学が可能です。

中堅共学らしい「バランスの良さ」

口コミ・取材記事では、「勉強の要求レベルは高いが、行事や部活もかなり本気」「男女ともに穏やかで、派手すぎない雰囲気」といった声が多く見られます。文化祭「藍桐祭」やTRF(TODOROKI RUN FEST)など、学校全体で盛り上がる行事も多く、「共学らしい活気」と「落ち着いた進学校」のバランスが取れている印象です。

部活動

部活動は中高合同のクラブが多く、運動部・文化部ともに選択肢が豊富です。サッカー部・女子バスケットボール部・弓道部・バドミントン部・バレーボール部など運動部の活動が活発で、文化部では鉄道研究部や舞チア・吹奏楽などが人気です。

運動部文化部・その他
サッカー部/バスケットボール部(男女)/バレーボール部(男子・女子)/バドミントン部/テニス部/弓道部/陸上競技部 など吹奏楽部/鉄道研究部/舞チア部/軽音楽部/美術部/写真部/理科系クラブ/語学系クラブ など

※細かな所属クラブは年度により変動があります。最新情報は学校公式「部活動」ページで確認してください。

アクセス

最寄り駅東急大井町線「等々力」駅 徒歩約10分
通学圏東急沿線(大井町線・東横線・田園都市線)を中心に、世田谷区・目黒区・品川区・川崎市などからの通学者が多数。
環境住宅街に囲まれた落ち着いた立地で、治安面の安心感が高いエリア。駅からの道のりも比較的フラットです。

併願の考え方

東京都市大学等々力は、「最難関〜上位校」を第一志望とする層の併願校としてだけでなく、「都市大等々力を第一志望とする層」もかなり厚い中堅共学校です。SAPIX偏差値45・日能研R4=54前後という位置から、代表的な併願パターンを整理します。

①上位〜難関共学校・女子校との組み合わせ

  • 2/1午前:広尾学園小石川・三田国際・栄東(首都圏外)などでチャレンジ
  • 2/1午後:東京都市大学等々力 第1回S特選(4科/2科)
  • 2/2午後:同 第2回S特選で「取り切る」プラン
  • 2/3午後:第2回特選(S特チャレンジ)でさらに合格を厚くする

②中堅〜準難関共学校どうしの水平併願

  • 2/1午前:成城学園・國學院久我山(ST)・かえつ有明など
  • 2/1午後:東京都市大学等々力(第1回S特選)
  • 2/2以降:安田学園・淑徳・東洋大学京北・順天などを組み合わせて複数合格を確保

③「都市大等々力第一志望」型の安全校設定

  • 1月:埼玉校(栄東・開智など)で必ず1校は合格を取る
  • 2/1午前:都市大等々力 第1回特選
  • 2/1午後〜2/3:S特1回・2回・第2回特選で段階的にチャレンジ
  • 場合によっては2/4の英語1教科・AL型も視野に入れる

・都市大等々力は「午後入試の偏差値が高く出やすい」代表例の一つです。午後の偏差値だけで判断せず、午前の受験校とセットで全体の負荷バランスを検討することが重要です。

対策の要点

国語:文章読解+資料型問題に強くなる

  • 漢字・語彙・文法・抜き出し・短めの記述をバランスよく出題する標準〜やや難レベルの問題。
  • 毎年、朝日新聞「天声人語」や複数資料を扱う独特の問題(大問4)が出題されるのが最大の特徴。
  • 対策としては、新聞コラムの音読→要約、統計資料やグラフ付きの記事の読み慣れが有効です。

算数:標準〜やや難。差がつくのは図形と速さ・仕事

  • 大問1:計算、大問2:小問集合、大問3以降:図形・数・速さ・仕事・場合の数など典型分野を網羅。
  • 特に「面積・体積・立体切断」「旅人算・水量・グラフ」「仕事算・ニュートン算」の頻度が高め。
  • 都市大等々力の過去問×10年分+塾テキストの頻出分野を繰り返し復習し、「解法暗記」ではなく状況把握から式を立てる練習を重ねることが重要です。

理科:長文・実験考察中心。文章読解力も問われる

  • 物理・化学・生物・地学がバランスよく出題され、実験・観察・資料読み取り問題が多い構成。
  • 典型計算問題よりも、「実験設定→結果→考察」を読み取った上で条件整理〜計算を行うタイプの設問が中心。
  • 理科辞典・図鑑での調べ学習と、長文資料の線引き・要約トレーニングを組み合わせると相性が良いです。

社会:資料問題・時事に強くなることがカギ

  • 地理・歴史・公民・時事をバランスよく出題し、統計・グラフ・地形図・写真資料などの処理問題が多い。
  • 世界情勢・国際問題を扱う設問も多いため、ニュースのチェックと「自分の言葉で説明する」練習が重要。
  • 漢字指定の用語問題も多いので、仕上げ期には「書けるかどうか」を重視した総チェックが必須です。

過去問演習の目安

  • 4教科型:第1回特選・第1回S特選・第2回S特選・第2回特選を中心に、直近10年分を目標に演習。
  • 午後入試(S特2回・第2回特選)は時間帯的に疲れが出やすいため、本番と同じ時間に解いておくと効果的です。
  • 合格最低点+20点を安定して越えられるようになれば、実戦レベルでも十分合格圏と言えます。

口コミの読み方

東京都市大学等々力は、インターエデュやみんなの中学情報などで口コミが多い学校です。情報量が多い分、読み方の「コツ」を押さえておくと判断を誤りにくくなります。

ポジティブな声として多いもの

  • 「先生がよく見てくれる」「TQノートのコメントが細かい」など、面倒見の良さに関する評価。
  • 「部活も勉強も本気で取り組める」「文化祭が盛り上がる」といった、共学校らしい充実感のコメント。
  • 「いじめを聞かない」「落ち着いた雰囲気」といった、安全面・人間関係への安心感。

注意して読みたいポイント

  • 「勉強が大変」「宿題が多い」という声は多い一方で、学年やコースによる差も大きいです。最新の説明会資料と照らし合わせて判断する必要があります。
  • 古い口コミには、共学化初期やカリキュラム変更前の情報も含まれるため、2022年以降の投稿を優先して読むと実情に近づきます。
  • 偏差値に関する議論は、サピックス・日能研・四谷・首都模試で見え方が大きく違う学校である点を踏まえて読む必要があります。

出典・根拠リンク

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