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広尾学園中学校〖2026年入試〗徹底解説

目次

結論(要点)

ポイント1広尾学園は「本科」「医進・サイエンス」「インターナショナル(SG/AG)」の4コースを軸にした共学進学校です。難関大・医学部はもちろん、海外大・国際系学部への進学にも強く、都内トップクラスの“グローバル志向校”として定着しています。

ポイント22026年度も第1回・第2回・医進・サイエンス回・国際生AG回・第3回の5区分で一般入試を実施。いずれも4教科300点満点の骨太な学力試験で、医進・サイエンス回は算数・理科を重視する配点設計になっています。

ポイント32025年度大学合格実績は、東京大学18名を含む国公立大79名、医学部医学科96名、早稲田・慶應・上智・東京理科・ICU合計381名、GMARCH189名と、実績面でも難関進学校の水準に達しています。

ポイント4授業はICTと探究型学習が標準装備で、PBL(課題解決型学習)や英語プレゼン、探究論文など「自ら学び、発信する」スタイルが徹底されています。中学受験段階でも「思考力」「読解力」「情報処理力」がないと歯が立たない入試になっている点に注意が必要です。

基本データ

学校名広尾学園中学校・高等学校
所在地東京都港区南麻布5-1-14
設置形態私立・共学・中高一貫+高入生あり
コース本科コース/医進・サイエンスコース/インターナショナルSGコース/インターナショナルAGコース
創立前身の順心女子学園から続く歴史を持ち、現在は「広尾学園」として共学化・グローバル路線を強化
共学化2007年に共学化・校名変更。以後、進学実績と人気偏差値が急伸。
生徒数中高合わせて約2,000名規模の大規模校(学年8〜10クラス程度)
教育の特色英語4技能教育/1人1台端末によるICT活用/探究・PBL/理数・医系教育/海外大学進学プログラム
最寄り駅東京メトロ日比谷線「広尾」駅 4番出口徒歩すぐ

2026年入試:名称・日程・配点

2026年度(2026年4月入学)の広尾学園中学校 一般入試は、次の5区分で実施されます(帰国生入試は12月実施)。いずれも4教科300点満点です。

試験名称試験日・時間募集コース募集人数教科・配点試験時間面接受験料
第1回第1回入学試験2026年2月1日(日) 午前本科コース50名国語100・算数100・理科50・社会50(計300点)国算各50分/理社各30分なし25,000円(複数回出願は加算方式)
第2回第2回入学試験2026年2月1日(日) 午後本科/インターナショナルSG70名(うちインターSG20名含む)国語100・算数100・理科50・社会50(計300点)国算各50分/理社各30分(遅刻者用別室あり)なし一般入試との通算で2回まで25,000円、3回30,000円…
医進・サイエンス回医進・サイエンス回2026年2月2日(月) 午後医進・サイエンスコース35名算数100・理科100・国語50・社会50(計300点)※算数・理科重視算理各50分/国社各30分なし同上(一般入試と通算)
国際生AG回国際生AG入学試験2026年2月3日(火) 午前インターナショナルAG15名Japanese50・Math(英語出題)50・English100+面接筆記計130分+個別面接英日バイリンガル面接あり同上(一般入試と通算)
第3回第3回入学試験2026年2月5日(木) 午前本科/インターナショナルSG35名(うちインターSG15名含む)国語100・算数100・理科50・社会50(計300点)国算各50分/理社各30分なし同上

※出願はインターネット出願のみ。受験料は同時出願数に応じて加算されるパック制です。詳細は学校公式サイトの募集要項を確認してください。

偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

主要4模試(サピックス・日能研・四谷大塚・首都圏模試)の2025年春時点データをもとにした、広尾学園の偏差値イメージは以下のとおりです。

試験名日程SAPIX
80%
日能研
R4(80%)
四谷大塚
Aライン80%
首都圏模試
80%
第1回1回 本科(午前)2/157656471
第2回2回 本科(午後)2/158666672
医進・サイ回医進・サイエンス(午後)2/261676773
第3回3回 本科(午前)2/557656573

※上記は「合格可能性80%ライン」の目安です。最新の偏差値は各模試主催者の公式サイトで必ず確認してください。

昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)

2025年度 2月一般入試の全体像

2025年度2月一般入試(第1回〜第3回・医進・サイエンス回・国際生AG回合計)の実受験者数は2,692名、合格者750名で、全体の実質倍率は約3.6倍でした。

入試区分募集人数受験者数合格者数実質倍率
第1回 本科5031776約4.2倍
第2回 本科50532(本科+インターSG合算で約800名超)205(本科のみ)本科単独で約3.4倍
第2回 インターナショナルSG20299123約8.2倍
医進・サイエンス回35377110約3.4倍
国際生AG回1513917約2.8倍
第3回 本科/インターSGほか35450(本科+インターSG)48(本科)+48(インターSG)本科・インターSGともに約9〜10倍規模
合計(2月一般入試)約2402,692750約3.6倍

※重複合格・スライド合格を含むため、合格者数は募集人員を大きく上回る設計になっています。

2025年度 合格最低点(4教科300点満点)

2025年度の合格最低点は、入試方式によってやや幅がありますが、おおむね以下のレンジでした。

区分合格最低点コメント
本科(第1〜3回)約174〜205点/300点最も低い回で174点程度、最も高い回で205点程度。回によって問題難度と受験層が変化します。
インターSG(第2・3回)約193〜219点/300点本科より高めのライン。帰国生・英語上位層が集まるため合格基準点も高くなりがちです。
医進・サイエンス回216点/300点前後算数・理科重視のため、理系が得意な受験生向き。科目間のバランスより「理系2科の高さ」が重視されます。

※年度や出題難易度によって上下するため、「合格最低点+20点」を安定して超えられるかを一つの目安にするとよいでしょう。

進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)

2025年度大学合格実績(現役・浪人合算・延べ人数)は、首都圏でもトップクラスの水準に達しています。ここでは主要な区分のみを抜粋します。

区分合格者数(延べ)コメント
東京大学18名文理バランスよく合格。特に理系(理一・理二)への進学が多い構成です。
国公立大学合計79名東大・東京科学大・一橋大など首都圏難関に加え、旧帝大・医系国公立への合格も目立ちます。
医学部医学科96名国公立+私立医大合計。医進・サイエンスコースの実績と、他コースからの医学部進学が合わさった数字です。
早稲田大学132名政経・法・理工など幅広い学部に合格者を輩出。
慶應義塾大学80名医学部・薬学部・理工学部など理系色の強い進学も多いのが特徴です。
上智大学88名外国語・国際教養・総合グローバルなど、英語・国際系学部との親和性が高い結果になっています。
東京理科大学72名理工・薬学など理系進学の受け皿として多数合格。
国際基督教大学(ICU)9名リベラルアーツ型の国際系大学への進学も一定数あります。
早慶上智・理科大・ICU計381名都心難関私大への出口実績としてはかなり高いボリュームです。
GMARCH189名明治・青山学院・立教・中央・法政・学習院に幅広く合格。

※いずれも「延べ人数」です(複数大学合格は重複カウント)。海外大合格者も相当数存在しますが、ここでは割愛しています。

学費

学費はコースによって教育充実費が異なりますが、本科コースの2025年度参考は次のとおりです。

項目金額(本科コース目安)備考
入学金388,000円入学手続き時に一括納入
授業料(年額)480,000円月額換算40,000円程度
施設維持費(年額)30,000円校舎・設備維持のための費用
教育充実費(年額)60,000円(本科)医進・サイエンス/インターSGは180,000円、インターAGは300,000円など、コースにより増額
その他(年額)約82,200円冷暖房費・図書費・PTA会費等
年学費小計(本科)約652,200円授業料+諸費用合計
初年度納入金合計(本科)約1,040,200円入学金+年学費の合計(制服・PC・積立金等は別途)

※医進・サイエンス/インターナショナル各コースは教育充実費が大きくなるため、初年度総額も本科より高くなります。最新金額は必ず募集要項で確認してください。

校風・学びの特色

「グローバル×STEM」の先進校

広尾学園は「グローバル教育」と「理数・医進教育」の両立を掲げる学校です。英語4技能教育、探究学習、ICT活用を全面に打ち出し、国内難関大と海外大の両方を視野に入れた進路設計が可能になっています。

コース制による多様な進路

  • 本科コース:国公立大・難関私大を中心としたスタンダード進学コース。
  • 医進・サイエンスコース:医学部・理系難関大志望者向け。理数系の授業密度が高く、課題研究も理系寄り。
  • インターナショナルSG:国内難関大+海外大の両方を意識した英語・探究重視コース。
  • インターナショナルAG:海外大進学や国際教養・国際関係系学部への進学を強く意識した上位コース。

探究・PBL(課題解決型学習)の比重が大きい

中学段階から、プレゼンテーション・ディスカッション・グループワークが日常的に行われます。単に知識を覚えるだけでなく、「情報を集め、整理し、相手に伝える力」が求められるため、入学後も自走できるタイプの子どもに向いています。

ICT環境と課題量

1人1台の端末(PCまたはタブレット)を活用し、課題提出や情報共有もオンラインが前提です。レポートやプレゼン課題が多く、一般的な私立中と比べても「家庭学習の負荷」は高めと考えておいた方がよいでしょう。

部活動

部活動は運動部・文化部ともにバリエーションが豊富で、「勉強一辺倒にしたくないが、帰国子女的な雰囲気の学校が良い」という層にもフィットしやすい構成です。

運動部(一例)文化部・同好会(一例)
サッカー/バスケットボール/バレーボール/テニス/バドミントン/卓球/陸上競技/ダンス/剣道 など吹奏楽/弦楽・オーケストラ/英語ディベート/理科・サイエンス/ロボット・プログラミング/美術・デザイン/軽音楽/写真/映画研究 など

※部活動の設置状況は年度によって変わるため、最新情報は学校案内・公式サイトで確認してください。

アクセス

最寄り駅東京メトロ日比谷線「広尾」駅 4番出口すぐ
通学圏日比谷線沿線(北千住〜中目黒)、山手線・埼京線・東横線・田園都市線などからの乗り換え通学が中心。
立地渋谷・六本木にも近い都心立地。塾との両立や放課後の予備校通いがしやすい反面、ラッシュ時間帯の混雑には留意が必要です。

併願の考え方

① 都内最難関〜難関校との組み合わせ

  • 2/1午前:開成・麻布・駒場東邦・渋谷教育学園渋谷1回など
  • 2/1午後:広尾学園 第2回(本科/インターSG)
  • 2/2以降:聖光学院・渋谷渋谷2回・早稲田・海城など

このパターンでは、広尾学園を「難関〜最難関帯の安全寄りポジション」としつつ、医進・サイエンス回で医学部志向を強める設計が多く見られます。

② グローバル志向校・共学校との水平併願

  • 2/1午前:渋谷教育学園渋谷1回/芝国際/かえつ有明など
  • 2/1午後:広尾学園 第2回/グローバル・インター系入試
  • 2/2〜2/3:三田国際学園(ISC)/広尾学園 医進・サイエンス/都立国際系中高一貫

「英語+探究+共学」の学校を複数組み合わせて押さえと本命を構成するパターンです。

③ 医学部志向の強い受験生の併願

  • 1月:栄東・開智・淑徳与野などで腕試し・安全校確保
  • 2/1午前:広尾学園 第1回(本科)または他の医進系中学
  • 2/2午後:広尾学園 医進・サイエンス回
  • 2/3〜2/5:聖光学院・駒場東邦・豊島岡女子など、医進向き難関校

併願プランは「どこで合格1校目を取るか」「本命校との日程バランス」「移動時間・宿泊の有無」を軸に塾と相談しながら決めるのがセオリーです。

対策の要点

国語:論理的読解+記述力

  • 説明的文章・物語文ともに分量が多く、設問数・記述量も多めです。
  • 抜き出し・選択問題に加え、「理由説明」「心情説明」など50〜80字程度の記述が頻出です。
  • 過去問・類題の記述を塾や家庭教師に添削してもらい、「根拠を本文から拾うクセ」を徹底させると得点が安定します。

算数:標準〜難レベルの総合問題。差がつく科目

  • 大問1〜2での計算・小問集合は確実に満点を狙いたい部分です。
  • 図形(比・相似・面積・立体)、速さ、場合の数、数の性質など、中堅〜難関校定番分野がバランスよく出題されます。
  • 医進・サイエンス回では算数の配点が重く、問題レベルも一段高いとみておくべきです。過去問演習では「時間を区切ってどこまで到達できるか」を繰り返し確認しましょう。

理科・社会:知識+資料読み取り

  • 理科:生物・地学・物理・化学の基礎知識に加え、実験結果やグラフを読み取らせる問題が多く出ます。
  • 社会:地理・歴史・公民の標準〜やや難レベルに、時事問題や統計グラフの読み取りが組み合わさるイメージです。
  • 4教科バランス型の本科入試では、理社で大きく失点しないことが合否ラインを決めます。

過去問演習の目安

  • 本科・医進・インターSG含め、直近5〜7年分を最低ライン、余裕があれば10年分を目標に。
  • 本番と同じ時間で解き、4科合計で「合格最低点+20点」を安定して超えられれば合格圏と考えやすいです。
  • インターナショナル系志望の場合は、英語4技能の民間試験(英検・TOEFLなど)も併せて強化しておくと選択肢が広がります。

口コミの読み方

広尾学園はインターエデュ、みんなの中学情報、各種ブログなどで情報量の多い学校です。口コミを見る際は、次のポイントを意識するとバランスよく判断しやすくなります。

よく見られるポジティブな声

  • 「英語やプレゼン力が確実に伸びる」「生徒が主体的に動いている」といった学びの質への評価。
  • 「多様なバックグラウンドの生徒がいて刺激になる」「帰国生が多く、国際色が豊か」といった環境面の評価。
  • 「先生方が忙しい中でも進路相談に乗ってくれる」「進学データが詳細で、進路指導が現実的」という進学面の評価。

注意して読みたいポイント

  • 「課題が多くて大変」「自己管理ができないと置いていかれる」という声も少なくありません。お子さんのタイプとの相性を要チェックです。
  • 校舎のある広尾は都心で家賃・物価も高めのエリアであり、通学時間や生活コストの問題が出てくるご家庭もあります。
  • 古い年度の口コミは、共学化直後やコース編成が現在と異なる時期の情報も含まれるため、必ず最新の大学実績・学校案内とセットで読むことをおすすめします。

出典・根拠リンク

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