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筑波大学附属駒場中学校〖2026年入試〗徹底解説

目次

結論(要点)

ポイント1筑波大学附属駒場中学校(いわゆる「筑駒」)は、開成・灘と並ぶ全国最高峰クラスの国立男子校です。主要模試(SAPIX・日能研・四谷大塚・首都圏模試)の80%偏差値はいずれも首都圏トップ水準で、「中学受験の頂点」と言われる難度に位置づけられます。

ポイント22026年度入試は、例年どおり男子120名募集。第1次選考(抽選)を経て、第2次選考で4教科入試(国語・算数・理科・社会 各100点)+報告書100点の500点満点で選考されます。2025年度は出願者644名・第2次受検者532名・合格者131名と、実質倍率約4.0倍の狭き門でした。

ポイント3合格者の得点は500点満点中、最高421点・最低326点(2025年度)。試験科目は標準的な4教科構成ですが、すべての科目で高度な読解力・思考力・記述力を求める設問が並び、「4科総合での地力」が問われます。

ポイント4大学進学実績は突出しており、2025年入試では東京大学合格117名・京都大学5名、国公立大合計148名、早慶上智190名、医学部医学科78名(国公立30名+私立48名)と、卒業生162名規模の学校としては異次元の出口です。

ポイント5校風は「自由・闊達」。制服や細かな校則はなく、自主性と知的好奇心を重んじる雰囲気の中で、行事・クラブ・課題研究を通じて「挑戦・創造・貢献」を実践する環境が整っています。

基本データ

学校名筑波大学附属駒場中学校・高等学校
通称筑駒(つくこま)
所在地〒154-0001 東京都世田谷区池尻4-7-1
設置形態国立・男子校・中高一貫(高校から若干名募集あり)
募集人員中学第1学年 男子120名(2026年度)
1学年規模約120名(1クラス約40名×3クラス)
設置者国立大学法人 筑波大学
校風・教育目標「自由・闊達」の校風のもと、「挑戦し、創造し、貢献する生き方」をめざす。大学附属の「実験校」として先進的な教育実践・課題研究にも力を入れている。
学習の特徴中高6年間を通じた一貫カリキュラム、理数・探究・課題研究の比重が高いSSH指定校。高2〜高3で本格的な大学受験体制に移行。
公式サイト筑波大学附属駒場中・高等学校公式サイト

2026年入試:名称・日程・配点

2026年度(令和8年度)中学入試は、例年通り「第1次選考(抽選)」「第2次選考(学力検査+報告書)」の2段階で実施されます。概要は以下の通りです(2026年度生徒募集要項より整理)。

区分内容日程実施時間(目安)募集人員選考方法・配点検定料
第1次選考書類選考(抽選)2026年1月14日(水)午前(受付・説明等)男子120名(第2次へ進む候補者を選定)出願者全員を対象にした抽選。2025年度は抽選を実施せず、全員第2次受検可。5,000円
第2次選考学力検査+報告書2026年2月3日(火)9:00〜12:40(4教科 各40分)男子120名国語100点・算数100点・理科100点・社会100点(計400点)+小学校報告書100点=500点満点第1次選考と共通

※必ず最新の「令和8年度生徒募集要項(PDF)」で日程・時間・手続き方法を確認してください。

偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)

主要4模試における筑駒の「合格可能性80%ライン」偏差値は、いずれも首都圏男子校トップクラスの数値となっています。

模試偏差値(80%)補足
SAPIX71男子・2026年入試向け予想。SAPIXで偏差値70を超えるのは筑駒のみという位置づけ。
日能研R472首都圏男子R4(合格可能性80%)。開成とほぼ同水準の最上位帯。
四谷大塚 Aライン74合不合判定テスト80%偏差値。開成よりわずかに高いレンジで掲載。
首都圏模試78合格率80%偏差値。男子最難関ゾーンでも最高クラスの数値。

※いずれも2025年春〜秋時点の公開データ・特集記事をもとにした目安値です。最新版は各模試公式サイト・資料で確認してください。

昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)

5-1.募集・受験状況(2025年度)

年度募集人員出願者数第1次選考合格者第2次受検者合格者数実質倍率(第2次)
2025(令和7)120名644名644名(抽選実施せず)532名131名約4.1倍

出典:筑波大学附属駒場中・高等学校「2025年度 中学校入学者選考の概況」。

5-2.合格者得点データ(2025年度)

筑駒の得点は「学力検査400点+報告書100点」の合計500点満点で算出されます。2025年度の合格者得点は次の通りです。

年度満点最高点合格最低点
2025(令和7)500点(報告書100点含む)421点326点

合格最低点326点は報告書100点分を含む総合点です。ペーパーテスト部分のみの目安としては、6〜7割台の得点力が求められるイメージです。

進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)

2025年大学入試(卒業生162名)の合格実績は、国公立・私立ともに極めて高水準です(数字はいずれも延べ人数)。

区分合格者数(延べ)コメント
東京大学117名うち理科三類15名前後。卒業生の半数以上が東大合格という、全国屈指の実績。
京都大学5名東京大学と合わせて「東大・京大」合計122名。
国公立大学合計148名一橋大学・東京科学大学・旧帝大など、難関国公立に幅広く合格。
早稲田・慶應・上智190名早慶上智で200名弱。首都圏難関私大への進学にも十分な厚み。
GMARCH35名合格者の多くが国公立・早慶上智に進学するため、GMARCHはやや控えめな数字。
医学部医学科78名国公立医学部30名・私立医学部48名程度。医系進学の強さも顕著。

出典:中学受験スタディ等の大学合格実績データ(2025年入試・複数ソースを集約)。数値はいずれも延べ人数です。

学費

筑駒は国立中学校のため、授業料は無償です(義務教育段階・教科書無償)。一方で、学校運営に必要な諸経費は一定額が発生します。

項目金額の目安備考
入学金なし国立中学のため、私立のような入学金は不要。
授業料0円中学校は授業料無償(義務教育)。
学校経費(中1)約320,000円教材費・行事費・PTA会費・制服・体操服等を含めた初年度目安。
学校経費(中2)約130,000円年度により変動。
学校経費(中3)約120,000円年度により変動。

※上記は国立附属中全般の公表値や保護者向け案内をもとにした概算です。最新の金額は「入学案内に関するQ&A」等で必ず確認してください。

校風・学びの特色

8-1.「自由・闊達」の校風と自己責任

筑駒は制服・髪型などの細かな校則がほとんどなく、「自由・闊達」の校風で知られています。その分、自分で考え・自分で管理することが強く求められ、「与えられたレールを走る」のではなく「自分でレールを敷く」タイプの生徒にフィットしやすい学校です。

8-2.学業・行事・クラブの三本柱

学校紹介では、「学業」「学校行事」「クラブ活動」の3つを柱として、生徒が主体的に学校生活を設計していくことが強調されています。文化祭(駒場祭)や体育祭、研究発表会などでは、生徒が企画・運営の中心となり、教員はあくまでサポート役に徹する場面も多いと言われます。

8-3.SSH指定校としての探究・課題研究

筑駒はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けており、理数教育や課題研究が非常に充実しています。高等部では「理科課題研究」などを通じて大学レベルの研究に触れる機会も多く、将来の研究者・技術者を志す生徒にとって魅力的な環境です。

部活動

部活動は中高合同で活動するクラブが多く、運動部・文化部ともに幅広い選択肢があります。「ガチな強豪」よりも「学業と両立しつつ、自分の興味をとことん追求する」スタイルのクラブが多い点が特徴です。

運動部文化部・同好会
サッカー部/ラグビー部/バスケットボール部/バレーボール部/野球部/テニス部/卓球部/陸上競技部/柔道部/剣道部/水泳部 など吹奏楽部/合唱部/弦楽合奏部/物理部/化学部/生物部/地学部/数学研究会/鉄道研究部/囲碁将棋部/写真部/演劇部/美術部/新聞部 など

クラブの名称・設置状況は年度により変更があります。最新情報は「クラブ活動」ページで確認してください。

アクセス

所在地〒154-0001 東京都世田谷区池尻4-7-1
最寄り駅京王井の頭線「駒場東大前」駅 西口 徒歩約7分/
東急田園都市線「池尻大橋」駅 徒歩約15分
通学エリア東京都内各地に加え、神奈川(横浜・川崎)、埼玉南部からの通学も多い。通学区域(学区)指定があるため、2026年度要項で要確認。
立地渋谷から1〜2駅圏内の住宅街エリア。大学・研究機関も多く、課外活動・探究活動にも恵まれた環境。

併願の考え方

筑駒は「2月3日1回勝負」の国立男子校です。首都圏男子最難関層では、私立男子校(男子御三家)や共学校トップ校との併願設計が鍵になります。

11-1.開成・麻布・武蔵との組み合わせ

  • 2/1午前:開成 or 麻布 or 武蔵(男子御三家)
  • 2/2午前:海城2回・本郷2回・渋谷教育学園渋谷など
  • 2/3午前:筑波大学附属駒場中学校(本命・チャレンジ)

開成・麻布・武蔵を本命、筑駒を「チャレンジ枠」として受験するパターンが典型です。

11-2.筑駒第一志望+私立難関の安全校確保

  • 1月:栄東(東大クラス)・開智・渋谷教育学園幕張 などで合格を先に確保
  • 2/1〜2/2:海城・本郷・早稲田などの男子難関校
  • 2/3:筑駒

筑駒に全力投球しつつも、1月校および2月1〜2日に「確実に合格を取りにいく」学校を入れておくことで、精神的な余裕を確保する戦略です。

11-3.共学校トップ層との併願

  • 2/1:渋谷教育学園渋谷(渋渋)・渋谷教育学園幕張(渋幕)・広尾学園など共学校最難関
  • 2/2:海城2回・本郷2回 など
  • 2/3:筑駒

併願を組む際は、「どこで最初の合格を取るか」「2月3日にどの程度のコンディションを持っていくか」を軸に、塾と相談しつつ逆算して計画することが重要です。

対策の要点

12-1.全科目で「読解力+思考力+記述力」を鍛える

筑駒の入試は4科ともに、「単なる知識量」ではなく、文章・資料・グラフを読み解き、論理的に考え、記述で表現する力を重視しています。他の男子御三家・難関校以上に、「4科総合での地力」が問われると考えてください。

12-2.国語:長文読解+記述の完成度がカギ

  • 説明的文章・文学的文章ともに、難度の高い良問が多く、設問も思考型・記述型が中心。
  • 記述は「根拠+要約+自分の言葉」を短時間でまとめる訓練が必要。
  • 過去問演習では、模範解答を写すだけでなく、「なぜその構成になっているか」を分析し、自分なりのテンプレートを作ると効果的です。

12-3.算数:難問耐性と粘り強さ

  • 平面・立体図形、場合の数、数の性質、速さ・割合など、典型的な最難関分野がバランスよく出題。
  • 大問ごとに「誘導が長く、途中までで部分点を取る」構成が多いため、答案を白紙で終わらせない粘りが重要。
  • サピックス・日能研・四谷の上位校向け問題集に加え、「筑駒の過去問10年分」を夏〜秋にかけて周回することが標準ライン。

12-4.理科・社会:知識+考察・資料読み取り

  • 理科は実験・観察・グラフ・計算問題が多く、「記述で説明させる」問題も目立ちます。
  • 社会は地理・歴史・公民を横断しつつ、統計資料・時事問題を絡めた設問が多いのが特徴です。
  • 教科書レベルの知識を固めたうえで、「なぜそうなるのか」「背景は何か」を説明できるレベルまで掘り下げておくと有利です。

12-5.報告書(内申)の位置づけ

筑駒では、500点満点中100点が小学校からの報告書に充てられています。成績(5教科+副教科)のほか、出欠状況・生活面も含めて総合評価されるとされており、「内申を軽視しても合格できる」という発想は危険です。小5〜小6での学校生活も、受験と同じくらい丁寧に積み重ねておく必要があります。

口コミの読み方

筑駒については、インターエデュ・受験ブログ・OBの寄稿記事など、多数の情報が出回っています。情報量が多い一方で、次のようなポイントに注意が必要です。

13-1.「特別なケース」の声に引きずられすぎない

  • 極端な成功例・失敗例は、個別事情(家庭環境・本人の性格・塾との相性)に強く依存していることが多いです。
  • 1つの体験談だけで判断せず、複数年度・複数サイトの情報を俯瞰して読むことが重要です。

13-2.「自由=放任」ではない

  • 「自由すぎてついていけない」という口コミと、「自分で動ける子には最高」という声が混在します。
  • 学校としては学習機会・相談機会を十分に用意しており、「自分から動けばいくらでも学べる」環境です。お子さんの性格との相性を最優先で判断してください。

13-3.最終判断は「実際に見た印象」で

文化祭・学校説明会・公開授業などで、実際の生徒の様子や雰囲気を直接見ることが何より重要です。ネットの情報はあくまで補助資料にとどめ、最終判断は本人と保護者の実感をもとに行うのが安全です。

出典・根拠リンク

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