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2025年こぐま座流星群観測ガイド|ピーク日時・見え方・観察&撮影のコツ

ふたご座流星群がピークを過ぎると、12月の夜空を静かに締めくくるのがこぐま座流星群です。派手さはありませんが、条件が良ければ1時間に数個〜10個程度の流星が期待でき、しかも2025年は月明かりの影響がほとんどない好条件です。

本記事では、

  • 2025年こぐま座流星群のピーク日時と見え方
  • おすすめの観察時間帯・方角
  • 観察・撮影の実務(場所選び・防寒・機材)
  • 母天体「タットル彗星」と流星群の特徴
  • よくある疑問(Q&A)と出典リンク

まで、一般の宇宙好きの方向けに分かりやすく整理します。

目次

目次

1. 2025年こぐま座流星群の要点まとめ

  • 活動期間:2025年12月中旬〜下旬(おおよそ12月17日〜26日
  • 極大予想:日本時間12月23日(火)午前1時ごろ
    → 観察の本番は12月22日深夜〜23日明け方
  • 予想流星数:
    • 暗い空で1時間に5〜10個程度が目安
    • 年によっては活動が弱く、数個にとどまることもある
  • 放射点:こぐま座(北斗七星のそばにある「小さいひしゃく」=こぐま座の柄の付け根付近)
  • 見える範囲:主に北半球(日本からは一晩中観察可能)
  • 月齢条件:新月直後の細い月で、2025年は月明かりほぼゼロの好条件

「数は少ないけれど、暗い冬の北の空で静かに楽しむ流星群」という立ち位置です。派手なショーというより、冬の星座や天の川を眺めながら、ときどき流れる流星を待つような楽しみ方が向いています。

2. こぐま座流星群とは?特徴と基本データ

こぐま座流星群(Ursids)は、毎年12月の冬至前後に活動する小規模な流星群です。

  • 母天体:彗星 8P/Tuttle(タットル彗星)
  • 活動期間:12月中旬〜下旬(おおよそ13日〜24日または17日〜26日)
  • 放射点:こぐま座(北極星ポラリスの近く)
  • 速度:中程度(大まかに秒速30km台)で、比較的ゆっくり流れる印象
  • 通常の出現数:暗い空で1時間あたり5〜10個程度

ペルセウス座流星群やふたご座流星群と比べると、明らかに出現数は少なめですが、過去には1時間100個級のバーストが記録された年もあり、「油断できない流星群」として一部の観測家に人気があります。

3. 2025年のピーク日時と見え方

3-1. 極大は「12月22日深夜〜23日明け方」

日本向けの予報では、2025年のこぐま座流星群の活動極大は12月23日午前1時ごろ(JST)とされています。従って、12月22日深夜〜23日明け方が最も流星数が増えるタイミングです。

  • 観察のメインタイム:22日23時〜23日3時ごろ
  • サブタイム:22日21時〜23日明け方4時ごろ

国際的なカレンダー(AMS・IMOなど)でも、2025年の極大は12月22日〜23日にかけてとされており、日本時間で見てもほぼこの時間帯がベストと考えて問題ありません。

3-2. 期待できる流星の数

2025年のこぐま座流星群は、

  • 暗い場所で1時間に5〜10個程度が目安
  • 街明かりのある場所では1時間に数個見られれば良い方

という、「静かな流星群」です。ふたご座流星群のように「空が流れ星だらけ」という状況にはなりにくいため、

  • 冬の星座(カシオペヤ座、北斗七星、ふたご座など)を眺めつつ
  • 「たまに流れる流星を楽しむ」

くらいの気持ちで臨むと、期待値とのギャップが少なくて済みます。

3-3. 月明かりの条件は「最高レベル」

2025年の新月は12月20日ごろで、こぐま座流星群の極大前後は月齢3〜4程度のごく細い月となります。月は夕方のうちに沈んでしまうため、

  • 深夜〜明け方の時間帯は実質的に「新月並み」の暗さ
  • 流星観察には非常に恵まれた年

と言えます。あとは天気しだいという状況です。

4. 観察のコツ(時間帯・方角・場所選び)

4-1. 時間帯:23時〜3時が中心

こぐま座は北の空に一晩中見えていますが、放射点が高く昇る真夜中〜明け方の方が観察には有利です。

  • ライトプラン:22時〜24時の2時間程度
  • 本格プラン:23時〜3時ごろまで(途中休憩を挟む)

寒さが厳しいため、長時間観察する場合は「1時間見て、車や室内に戻って休憩」のように、メリハリをつけると現実的です。

4-2. 方角:北の空を中心に、「空全体」をゆったり見る

放射点は北の空(北極星付近)にありますが、流星自体は空全体に流れます。おすすめは、

  • 北〜北東の空がよく見える場所で
  • レジャーシートかリクライニングチェアに寝転がり
  • 天頂から北側を中心に「空全体」をぼんやり眺める

というスタイルです。放射点そのものを凝視する必要はありません。

4-3. 観察場所の選び方

  • 空が広く見える:河川敷、公園、海岸、郊外の広場など
  • 街明かりが少ない:商業施設・幹線道路から距離がある場所
  • 安全性:夜間でも人の目がある、合法的に立ち入り可能な場所

「暗さの追求」と「安全性」はトレードオフになりがちです。無理に真っ暗な山中へ行くより、少し明るくても安全な場所を選ぶ方が現実的です。

5. 観察準備:持ち物・防寒・安全対策

5-1. 必須レベルの持ち物

  • 防寒アウター(ダウンジャケットなど)
  • ニット帽・マフラー・手袋
  • 厚手の靴下・防寒性の高い靴
  • レジャーシート or 折りたたみ椅子(できればリクライニング)
  • ブランケット or 寝袋(地面からの冷え対策)
  • カイロ(ポケット用・足裏用)
  • 温かい飲み物・軽食
  • スマホのモバイルバッテリー(寒さで電池が落ちやすいため)
  • ヘッドライト or 懐中電灯(できれば赤色モード付き)

5-2. 防寒のポイント

  • 「立っていて少し暑い」くらいの装備でちょうど良い
  • 首・手首・足首を重点的に暖める
  • 地面からの底冷え対策に、厚手のマットや段ボールを敷く

こぐま座流星群のピークは冬至前後の深夜で、年間の中でも最も冷え込むタイミングです。寒さ対策は「やりすぎ」くらいでちょうど良いと考えてください。

5-3. 安全面のチェック

  • 必ず複数人で行動し、ひと気が完全に途絶える場所は避ける
  • 帰りの交通手段(終電・駐車場・タクシーなど)を事前に確認
  • 河川敷や海岸では、水辺・崖・段差の位置を明るいうちに確認
  • 天候悪化(雪・強風)の兆候があればすぐ撤収する

6. スマホ・カメラでの撮影のポイント

6-1. スマホで狙う場合

スマホで流星を「確実に」捉えるのは難易度高めですが、条件が良ければ偶然写ることがあります。以下のポイントを意識してください。

  • 三脚や固定物でガッチリ固定する
  • 広角レンズで空を広く切り取る(北〜天頂を含む構図)
  • ナイトモード・長時間露光モードがあればON
  • 2〜3秒のセルフタイマー or リモートシャッターで手ブレ防止
  • なるべく明るい場所(街灯)にレンズを向けない

「映え写真」を狙い過ぎず、冬の星空の雰囲気を残すつもりで撮ると、記録としては十分なことが多いです。

6-2. 一眼・ミラーレスで本格撮影する場合

カメラで流星群を撮る場合の基本設定例です(目安)。

  • レンズ:14〜35mm程度の広角
  • 絞り:F2.8〜F4
  • ISO:1600〜3200
  • 露光時間:10〜20秒
  • フォーカス:マニュアルで星にピント合わせ
  • 撮影方法:インターバル撮影で数百枚連写

ポイントは、

  • ピントを必ず明るい星で合わせてから固定する
  • 構図に北の空(北斗七星・北極星付近)を必ず入れる
  • バッテリー・メモリには大きく余裕を持たせる

流星はいつどこに流れるか分からないため、「シャッターを開け続けて待つ」ことが何より重要です。

7. ふたご座流星群との違いと楽しみ方

12月の流星群という意味ではふたご座流星群が圧倒的に有名ですが、こぐま座流星群とは性格がかなり異なります。

  • 出現数:ふたご座流星群(最大100個/h)に対し、こぐま座流星群は5〜10個/h程度
  • 時間帯:どちらも深夜〜明け方が好条件
  • 位置:ふたご座=東〜南の空、こぐま座=北の空
  • 雰囲気:ふたご座流星群=「大イベント」、こぐま座流星群=「静かな余韻」

2025年は、

  1. 12月中旬のふたご座流星群で「数」を堪能し、
  2. 月末のこぐま座流星群で「冬の星空+数個の流星」をしみじみ眺める

という二段構えで楽しむのがおすすめです。

8. よくある質問(Q&A)

Q1. ベランダや街中からでも見えますか?

完全に見えないわけではありませんが、街明かりの影響で見える数は大きく減ります。こぐま座流星群はもともと出現数が少ないため、

  • マンションのベランダ:1時間に1個見られれば良い方
  • 郊外の住宅地:条件が良ければ1時間に数個

といったイメージです。できれば郊外の暗い場所まで足を延ばすことをおすすめします。

Q2. 子ども連れでも楽しめますか?

深夜帯のイベントになるため、小学生以下の場合は無理をさせないことが大前提です。例えば、

  • 22時〜23時の1時間だけ北の空を一緒に眺める
  • 寒さが厳しければ、車の中や室内からときどき空をのぞく

といった形で、「数をたくさん見る」ことよりも冬の夜空を一緒に見上げる体験を重視するとよいでしょう。

Q3. 願い事をすると叶うって本当ですか?

科学的な根拠はありませんが、一年の終わりに夜空を眺めながら今後の目標を考えてみるきっかけにする、という意味では悪くありません。スピリチュアルな意味づけに頼りすぎず、「一年を振り返る時間」として流星群を活用するのがおすすめです。

9. 出典・参考リンク

本記事の日時・条件などの情報は、以下の公的・専門サイトの2025年向け情報をもとにしています。

10. 関連記事(当サイト)

こぐま座流星群に興味を持った読者が、さらにサイト内を回遊しやすいよう、関連性の高い記事へのリンクをまとめます。

  1. 2025年12月の天体ショー完全ガイド
    12月の主な天文イベント(コールドムーン、ふたご座流星群、こぐま座流星群、惑星の見どころなど)をカレンダー形式で整理した月間ガイドです。本記事の位置づけを全体の中で確認したい読者向け。
    https://spacemaxum.com/2025/11/30/687/
  2. コールドムーンとは?2025年の満月の日程・見え方・観察&撮影のポイント
    同じ12月に見られる満月「コールドムーン」についての解説記事。月と流星群をセットで楽しみたい読者向けの導線として有効です。
    https://spacemaxum.com/2025/12/04/コールドムーンとは?2025年の満月の日程・見え方・観察&撮影のポイント/
  3. 2025年おうし座流星群・しし座流星群の観測ガイド|ピーク日時・特徴・イベント情報を網羅解説
    秋〜初冬にかけて見られる流星群をまとめた記事。年間を通じた流星観察計画を立てたい読者向けです。
    https://spacemaxum.com/2025/11/14/556/

11. テーマのリンク先

宇宙シリーズ全体への導線として、最後にカテゴリページへのリンクを配置してください。

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