結論(要点)
ポイント1慶應義塾中等部は、全国屈指の難関「大学附属校」志望者が集まる共学校です。首都圏模試の合判偏差値は男子74・女子77と最上位帯で、男子御三家・渋渋・広尾などと併願されるポジションにあります。
ポイント2選抜は一次(4科300点の学科試験)+二次(体育実技・保護者同伴面接)+小学校からの調査書を総合して合否判定する方式です。教科ごとの足切りはなく、4科バランスと人物評価の両方が重視されます。
ポイント3卒業生は男子が慶應義塾高・志木高・ニューヨーク学院へ、女子が慶應義塾女子高・ニューヨーク学院へと進学し、その約98%が最終的に慶應義塾大学へ進学するとされます。
ポイント4教育理念は「自立した個人を育む、自由な教育」。制服ではなく「基準服」制を採用し、「自由の中に規律を求める」校風のもと、授業・校友会活動(部活動)・行事の三本柱で、主体性と社会性を育てる学校です。
基本データ
| 学校名 | 慶應義塾中等部(けいおうぎじゅく ちゅうとうぶ) |
|---|---|
| 所在地 | 〒108-0073 東京都港区三田2-17-10 |
| 設置形態 | 私立・共学校・中高一貫(高校募集ありの併設型だが、実質一貫教育) |
| 創立 | 1947年(昭和22年) 慶應義塾初の男女共学中学校として開校 |
| 教育理念 | 「自立した個人を育む、自由な教育」/「自ら考え 自ら判断し 自ら行動して その結果に責任を持てる自立した個人」 |
| 特色 | 授業・校友会活動(クラブ)・行事を教育の三本柱とし、「自由の中に規律」を求めるミッションフリー校 |
| 募集定員 | 男子約120名・女子約50名(計約170名) |
| 進学先 | 男子:慶應義塾高・慶應義塾志木高・慶應義塾ニューヨーク学院/女子:慶應義塾女子高・慶應義塾ニューヨーク学院 |
| 内部進学率 | 附属大学への内部進学率 約98%とされる |
| 最寄り駅 | JR田町駅・都営地下鉄三田駅・東京メトロ南北線/都営三田線白金高輪駅・都営大江戸線赤羽橋駅などから徒歩約15分前後 |
2026年入試:名称・日程・配点
2026年度(2026年4月入学)入試は、例年通り「一次試験(学科)」と「二次試験(体育実技+面接)」の2段階選抜です。募集要項・入試Q&Aの内容を整理すると、概要は次のとおりです。
| 区分 | 試験日 | 募集人数 | 試験会場 | 内容・教科/配点 | 試験時間 | 面接 | 受験料 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一次試験(学科) | 2026年2月3日(火) | 約170名 男子約120名/女子約50名 | 慶應義塾大学 三田キャンパス | 国語100点・算数100点・社会50点・理科50点(合計300点) 4教科すべて必須 | 国語:45分(9:05〜9:50) 社会:25分(10:15〜10:40) 理科:25分(10:55〜11:20) 算数:45分(11:45〜12:30) | なし(学科のみ) | 30,000円 |
| 二次試験(体育実技・面接) | 2026年2月5日(木) | 一次試験合格者が対象 | 慶應義塾中等部 校舎 | 体育実技(体力・運動能力)+受験生と保護者の面接 | 女子:7:50〜11:00 男子:10:00〜18:00(時間指定制) | 受験生+保護者同伴面接 | 追加費用なし |
一次・二次を通じ、調査書(小学校からの報告書)も含めて総合判定。教科ごとの足切りは設けていないと学校側が明示しています。
偏差値比較(SAPIX/日能研R4/四谷Aライン/首都模試)
慶應義塾中等部は、主要4模試で男女とも最上位クラスの偏差値帯に位置します。ここでは、2025年実績や2026年入試向け最新データをもとに整理します。
| 区分 | 日程 | SAPIX 80%偏差値 | 日能研 R4(80%) | 四谷大塚 Aライン80% | 首都圏模試 合判偏差値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 男子 | 2/3(4科) | 60前後 | 66 | 65 | 74 |
| 女子 | 2/3(4科) | 63前後 | 67 | 68 | 77 |
SAPIX・四谷大塚・日能研は塾資料・入試分析記事からの値、首都圏模試は公式の合判模試データをもとにした目安値です。
男子は開成・麻布・武蔵・渋谷教育学園渋谷、女子は桜蔭・女子学院・雙葉・豊島岡女子・渋渋などと同偏差値帯〜一段下程度で、男子御三家や渋渋等と併願するケースが多い層です。
昨年度の入試結果と合格基準点(2025年度)
2025年度 募集・志願状況
| 年度 | 性別 | 募集人数 | 志願者数 | 合格者数 | 実質倍率(志願ベース) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | 男子 | 120 | 834 | 139 | 約6.0倍 |
| 2025 | 女子 | 50 | 401 | 57 | 約7.0倍 |
| 2024 | 男子 | 120 | 861 | 142 | 約6.1倍 |
| 2024 | 女子 | 50 | 454 | 56 | 約8.1倍 |
志願者数・合格者数はいずれも学校公式サイトの入試Q&Aに掲載されている値をもとにしたものです。
一次・二次試験の実質倍率(参考)
一次・二次に分けた実受験者数・一次合格者数は大手塾の入試分析で公開されています。
- 2025年度一次試験(男子):実受験者約670名→一次合格約330名(約2.0倍)
- 2025年度一次試験(女子):実受験者約320名→一次合格約130名(約2.5倍)
- 2025年度二次試験(男子):一次合格者のうち受験者約280名→最終合格139名(約2.0倍)
- 2025年度二次試験(女子):一次合格者のうち受験者約120名→最終合格57名(約2.1倍)
合格ラインの目安
- 公式な合格最低点は非公表です。
- 複数の塾・入試分析によれば、一次(4科300点)+二次(体育・面接・調査書)を総合した予想合格ラインは260点/300点前後(8〜9割)とされています。
- 「7割とれれば十分」というレベルではなく、日頃から「標準レベルの問題を取りこぼさず、高得点でまとめる」タイプの仕上がりが求められます。
進学実績(東大・医学部・国公立・早慶上智・GMARCH)
中等部卒業生は、男子が慶應義塾高・志木高など、女子が慶應義塾女子高などに進学し、その先で大学合格実績が集計されます。ここでは系列高校の実績をもとに、慶應義塾中等部からの進学イメージを整理します。
| 区分(2025年度) | 合格者数(延べ) | コメント |
|---|---|---|
| 国公立大学(東大・京大・旧帝大・一橋・東京科学大など) | 非公表 | 外部国公立への進学者は毎年一定数いるが、慶應内部進学が中心で詳細は高校側集計。 |
| 慶應義塾大学(全学部) | 726 | 卒業生735名に対し、慶應大学への合格延べ726。内部進学率は約98%とされる。 |
| 医学部医学科 | 22 | 主に慶應義塾大学医学部医学科への内部進学者数。 |
| 早稲田・上智・GMARCHなど外部大 | 限定的 | 慶應大学への進学を前提とする生徒が大半のため、外部私大への進学数は統計上は少ない。 |
数値はいずれも延べ人数(複数学部合格を重複カウント)です。
「東大に行きたい」というより、「慶應義塾大学のいずれかの学部で学びたい」という志向のご家庭との相性が非常に良い学校です。
学費
2026年度の入学手続に必要な費用は、現時点では2025年度と同程度と案内されており、参考として2025年度の金額が公表されています。
| 項目(2025年度参考) | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 入学金 | 340,000円 | 入学手続き時に一括納入 |
| 授業料(年額) | 930,000円 | 前期・後期の2回に分納可 |
| 教育充実費 | 210,000円 | 施設・教育環境の充実のための費用 |
| 校友会費 | 15,000円 | 在校生・卒業生ネットワーク等の活動費 |
| 入学手続時 合計 | 1,495,000円 | 授業料分納の場合の初回納入は1,030,000円(初年度のみ) |
初年度は、これに制服・教材・通学費などを加えると、実質的な総額は170万円前後を見込んでおくと安全です。
校風・学びの特色
「自立した個人を育む、自由な教育」
慶應義塾中等部の基本理念は、創立者・福澤諭吉の「独立自尊」の精神を中学生にもわかりやすく言い換えたものです。すなわち「自ら考え、自ら判断し、自ら行動して、その結果に責任を持てる自立した人物」を育てることです。
「自由の中に規律」を求める校風
制服のない自由度の高い学校でありつつも、「集団生活に最低限必要な規律は守る」「自分も友人も大事にする」という姿勢が徹底されています。
- 禁止事項は必要最小限にとどめ、「自由の中に規律を求める」ことを目指す。
- 服装は制服ではなく「基準服」。TPOに合った装いを、生徒・家庭の判断に委ねるスタイル。
- 「授業」「校友会活動(クラブ)」「学校行事」を三本柱として、学力・人間力・社会性をバランス良く育成。
基準服と生活指導
中等部には、毎日必ず着用しなければならない制服はなく、男子・女子ともに指定のスーツスタイルを「基準服」として定めています。登下校や式典・行事での着用を基本としつつ、日常は個々の判断を尊重した服装が認められています。
授業・行事・校友会活動の三本柱
学業面では、難関大学進学を見据えた高いレベルの授業を行いつつ、「一斉授業+少人数・ゼミ形式」を組み合わせた多様な学びが特徴です。また、運動会・展覧会などの行事や、クラブ活動を通じて、主体性・協調性・リーダーシップを身につけることが重視されています。
部活動
慶應義塾中等部では、クラブ活動を「校友会活動」と呼び、授業・行事と並ぶ教育の柱と位置づけています。運動系・文化系あわせて30以上のクラブがあり、兼部している生徒も多いと紹介されています。
| 運動系クラブ(例) | 文化系クラブ(例) |
|---|---|
| 野球部/サッカー部/ラグビー部/テニス部/バスケットボール部/バレーボール部/卓球部/陸上競技部/水泳部/柔道部/剣道部 など | 吹奏楽部/グリー部/弦楽(オーケストラ)部/美術部/写真部/演劇部/科学系クラブ(物理・化学・生物など)/鉄道研究会/パソコン・情報系クラブ など |
クラブの設置状況は年度により変動します。最新の一覧は学校公式・情報誌等で確認してください。
アクセス
| 住所 | 東京都港区三田2-17-10 |
|---|---|
| 最寄り駅 | JR山手線・京浜東北線「田町」駅 徒歩約15分 都営浅草線・三田線「三田」駅 徒歩約15分 都営大江戸線「赤羽橋」駅 徒歩約25分 東京メトロ南北線・都営大江戸線「麻布十番」駅 徒歩約15分 東京メトロ南北線・都営三田線「白金高輪」駅 徒歩約15分 |
| バス | 「慶應正門前」バス停下車 徒歩約3分(渋谷〜田町「田87」、東京駅南口〜等々力「東98」など) |
| 通学エリア | 山手線・南北線・三田線沿線を中心に、都内全域および神奈川・埼玉からも通学者多数。 |
三田・田町エリアはビジネス街のため、朝夕の混雑・ラッシュや通学ルートの安全性を事前に確認しておくと安心です。
併願の考え方
慶應義塾中等部は2月3日入試・共学校という独自ポジションにあり、男子御三家・渋渋・広尾学園・早稲田系(早稲田・早大学院・早稲田実業)などとの併願パターンがよく見られます。
① 男子御三家+慶應ラインの併願
- 2/1:開成・麻布・武蔵・海城・駒場東邦など
- 2/2:渋谷教育学園渋谷・栄光学園・聖光学院など
- 2/3:慶應義塾中等部(本命または準本命)
- 2/4以降:筑波大附属・お茶の水女子・学芸大附属系(抽選通過の場合)や、広尾学園・早稲田系などで調整
② 慶應3中学(普通部・中等部・湘南藤沢)を組み合わせる併願
- 2/1:慶應義塾普通部、早稲田中・早大学院など
- 2/2:慶應義塾湘南藤沢中等部、渋谷教育学園渋谷など
- 2/3:慶應義塾中等部で一次、2/5に二次
慶應3校すべてに出願する「慶應パック」型の併願は、慶應大への内部進学を最優先するご家庭でよく見られるパターンです。
③ 共学校志向(渋渋・広尾・三田国際など)との組み合わせ
- 2/1:渋谷教育学園渋谷・広尾学園・三田国際など
- 2/2:渋渋2回・広尾2回・三田国際2回など
- 2/3:慶應義塾中等部で「附属本命枠」を確保するパターン
併願設計では、「2月前半のどこで合格1校目を確保するか」「国立・公立一貫校の抽選・適性検査との兼ね合い」「本人の慶應志望度(附属志向か/外部志向か)」を整理しておくことが重要です。
対策の要点
全体方針:4科バランス+精度重視、目標は8〜9割
- 4科とも「標準〜やや難」レベルが中心で、大問構成もオーソドックス。ただし合格ラインが高いため、ミスを極力減らす精度勝負の入試です。
- 教科別の足切りはないものの、どれか1科目を大きく落とすと総合点で巻き返しが難しくなります。
- 過去問で4科合計260点(約8.5割)を安定して超える状態が合格圏とみなされるケースが多いです。
国語:読みやすい文章を確実に取り切る力
- 試験時間45分・100点。説明的文章+物語文(随筆)の2題構成が多く、設問数は標準〜やや多めです。
- 語句・漢字・内容把握・記述がバランスよく出題され、難問奇問は少ない一方、ケアレスミスが命取りになりやすい構成です。
- 過去問を通じて「設問から根拠箇所を素早く見つける訓練」と「40分程度で1セット解き切るスピード」を徹底して鍛える必要があります。
算数:難問よりも「標準問題の取りこぼしゼロ」が勝負
- 試験時間45分・100点。計算・一行問題〜応用までまんべんなく出題されますが、全体としては標準〜やや難レベルです。
- 「基礎〜標準ゾーンで7割+思考力問題で1〜2問取る」構成で8〜9割に届く問題セットが多いとされます。
- 頻出分野は、割合・速さ・比・平面図形・立体図形・場合の数など。塾テキストと過去問を徹底的にやり込み、「見たことのあるパターン」を確実に得点することが重要です。
理科・社会:知識+資料読み取りのバランス型
- 理科・社会とも試験時間25分・50点。知識問題をベースに、グラフ・表・資料を読み取る問題が多い構成です。
- 理科は計算問題(てこ・電気・密度など)や実験考察問題、社会は地理・歴史・公民をバランスよく出題し、時事的な題材も一定数含まれます。
- 小6後半は、志望校判定模試を活用しつつ、模試・過去問の復習を通じて出題傾向に慣れておくと効果的です。
過去問演習の目安
- 一次試験の過去問は、直近10年分を目標(最低でも7〜8年分)。
- 初期は時間無制限で傾向を掴み、徐々に本番時間+数分以内に収める形へシフトする。
- 二次試験については、塾の対策講座・模擬面接・運動テスト対策を通じて、当日の雰囲気に慣れておくことが重要です。
口コミの読み方
インターエデュや学校情報サイト、個人ブログなどには、慶應義塾中等部に関する多くの口コミが掲載されています。情報量が多い一方で、投稿時期や立場によって評価が分かれる点には注意が必要です。
よく見られるポジティブな声
- 「自由でのびのびした雰囲気で、子どもが毎日楽しそう」「いじめの話をほとんど聞かない」など、校風・人間関係への高評価。
- 「先生と生徒の距離が近く、相談しやすい」「行事やクラブ活動が非常に盛んで一体感がある」といったコメント。
- 慶應女子高や慶應義塾高校・志木高校への進学、その先の慶應大学への内部進学により、大学受験の心理的な負担が小さい点を評価する声。
注意して読みたいポイント
- 「自由すぎて合う子と合わない子がいる」「自己管理が苦手なタイプには向きにくい」といった意見も一定数あります。
- 進学実績について、古いデータを前提に「出口が弱い」とする口コミもありますが、現在は内部進学を前提とした体系的なデータが整っており、慶應大学への進学実績は極めて安定しています。
- 口コミは投稿者の主観が強く反映されるため、「いつ書かれた情報か」「どの立場(在校生・保護者・受験生)からの情報か」を意識しながら読むことが重要です。
出典・根拠リンク
- 慶應義塾中等部 公式サイト(学校概要・基本理念・学校生活・アクセス)
- 2026年度 生徒募集要項・入試Q&A(募集人員・試験日程・入学手続・学費など)
- 中学受験スタディ「慶應義塾中等部」(入試要項・学費・アクセス・説明会情報)
- 同 大学合格実績ページ(慶應大学合格者数・医学部合格者数・卒業生数等)
- 首都圏模試センター「慶應義塾中等部」(合判模試偏差値・内部進学率・初年度学費)

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