しし座流星群は毎年「流星雨」になる?見える数の読み方と観察・撮影のコツ

2026年10月3日改稿|観測の準備と実践

しし座流星群と聞いて、空を埋めるほどの流れ星を思い浮かべる人もいるでしょう。大出現の記録はこの流星群の魅力ですが、毎年同じ規模の流星雨が起きるわけではありません。通常の年は、暗い空で一つの流星を待ち、その速さや残る光に注目する楽しみ方が現実的です。出かける前に、予報の数字と実際に見える数を分けて考えてみましょう。

目次

母天体の33年周期と、毎年の出現を分ける

しし座流星群の母天体はテンペル・タットル彗星です。彗星が残した粒子の流れへ地球が入ると、粒子が大気へ飛び込み、流星として見えます。NASAは母天体の公転周期を約33年と説明していますが、「33年待つと必ず同じ流星雨」という単純な予定表にはできません。

毎年の活動と、粒子が濃く分布する部分に出会う際の大出現は区別する必要があります。古い大出現の写真や動画は、観測史を知る資料として楽しみ、今年の夜空にそのまま重ねないようにしてください。

「1時間に何個」の条件を読む

国立天文台の主な流星群一覧では、しし座流星群の通常の目安として、理想条件に換算するZHRは10、日本付近で十分暗い空の極大時に期待される数は1時間当たり4個とされています。この二つは同じ意味の数値ではありません。街明かり、月、雲、観察時刻が変わると、実際に目にする数はさらに変わります。

一般的な活動期間は11月6〜30日、極大は11月18日頃とされていますが、年ごとに日付は前後します。これは毎年の日本時間の確定予報ではありません。出かける年の予報で極大の日時と月の条件を確認し、海外の記事の「ピークの夜」をそのまま日本の日付に置き換えないでください。

見かける表現 意味 観測計画への使い方
活動期間 流星群に由来する流星が現れ得る期間 期間中なら多数見えるという保証にはしない
極大 活動が最も活発になると予想される頃 自分の場所で夜か、放射点が上がるかも確認
ZHR 理想的な条件に換算した指標 自分がそのまま見られる個数にしない
観測した個数 自分が実際に確認した数 休憩を除く観察時間と空の条件を併記

しし座だけを凝視せず、暗い空を広く見る

流星の経路を逆に延ばすとしし座付近へ集まって見えるため、この名前が付いています。ただし、しし座の星のすぐ近くにだけ流れるわけではありません。NASAも放射点だけを見つめず、広い空を見る方法を案内しています。

首を反らしたまま立ち続けるより、使える場所で椅子や敷物を用意し、楽な姿勢を作るほうが観察を続けやすくなります。目を暗さに慣らす間は明るい画面を何度も見ず、時計や必要な予報は最初に確認しておきます。月や街灯を直接見ない向きでも、周囲を安全に確認できる場所を選びましょう。

カメラを使うなら、肉眼で見る時間も残す

流星はいつどこを横切るかを一つずつ予告できません。広い範囲を写せる設定でカメラを固定し、星が写るかを試したうえで、連続撮影できる範囲を決めます。空が白く写りすぎる、星が流れすぎるなどの結果を見て調整するほうが、機種や空の明るさを無視して一つの設定を固定するより確実です。

写真に線が写っても、直ちに流星と決めず、前後の画像も確認します。飛行機や人工衛星が写ることもあるためです。肉眼で見た時刻と方向をメモしておけば照合できます。初回は撮影に操作時間を使いすぎず、肉眼で観察する役と記録する役を分けると、一晩の体験を共有しやすくなります。

ゼロ個でも残せる、次回に役立つ記録

記録は「日付と場所/開始・終了時刻/休憩/雲と月・街灯/見えた数/印象」の順に書きます。例として「30分のうち10分は雲が広がった、流星は確認できなかった」と残せば、条件が悪かった回と長く観察できた回を混同せずに済みます。

少ない数を短時間観察して得た結果から、その夜全体の出現率を強く断定しないことも大切です。「今回は短いものが一つ見えた」「次回は街灯が視野に入らない場所にする」と、自分の観察の範囲で整理してください。

本稿は旧記事の2025年向け予告を、毎年使える観察ガイドへ変更したものです。今後の大量出現を約束する記事ではありません。通常の夜空でも、流星の仕組みを知って待つと、一瞬の光が彗星の残した粒子とつながって見えてきます。

次の疑問に合わせて読む

出典・情報の対象

科学的な説明は以下の一次資料に基づき、準備・記録の手順や記入例は編集部の提案として記載しています。実際の予報は観測日と観測場所を指定して確認してください。

個人情報・アクセス解析・広告の取扱いについて

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次